漁書日誌 3.0

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神保町から渋谷

昨日の今日だが、今日も夜に必要があって都内に出る。ということで、昨日行けなかったぐろりや会古書展に赴く。

ザーッと回って、これはちょっと欲しいというのを見つけたのだが、高い。高いと言っても千円だが。ピャッとお会計。

野尻草雄「一高ロマンス」(大仏出版)復刻版合わせ函100円

劇団山王第2回公演パンフ1100円

NLTプロデュース都民劇場新劇サークルパンフ1100円

発見の会「一宿一飯」パンフ200円

高いと言ったのは上記2点のパンフである。劇団山王の方は「十二年目の若者」という芝居のパンフで、当時の太陽族に取材したもの。ここは第1回公演が石原慎太郎の「処刑の部屋」を上演したところで、今回の公演でも主題歌を慎太郎が作詞、作曲を林光がやっている。学生劇団なのにかなり贅沢のようであり、どうも児童劇団なんかにいた劇団員がいてマスコミに顔が効くようでもある。NLTの方は初演ではなく再演パンフ(がyくに再演のは初めて見た)。都民劇場からの申し出で再演したという。「一高ロマンス」は、前にも裸の復刻版を買っているが、こちらは函帯と解説冊子がついて100円。野尻草雄というペンネームを使った大佛次郎の初著作単行本との由。

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その後、渋谷に出る。

今日は前々から予約していた池田亮司のライブ@wwwxなのである。新国立劇場ダムタイプの「メモランダム」を見て以来だろうか。CDも持っているが、やっぱりライブでというのがあった。しかも最前列スピーカーの前だったので超ド低音が大音響でまるでシャワーのように全身に浴びるような感じであった。スピーカーからの音で全身が振動するどころか、風圧さえ感じた。

 

まずは五反田

神保町の方ではぐろりや会もあるのだが、両方行こうとしながらも結局はダラダラしていて間に合わず五反田散歩展のみにといういつもの展開。到着は17時10分ごろ。しかし今日はガレージが結構面白そうで、あれこれと見ているうちに20分くらい経過してしまう。急いで会計をして2階へ。ここも駆け足でめぐる。おっと思うものがあり、抱えるもかなり嵩張る。注文品である春琴抄の複製原稿はハズレ。購入したのは以下。

三島由紀夫文章読本」(婦人公論付録)200円

永山則夫「愛かー無か」(合同出版)昭和48年10月18日200円

国立劇場椿説弓張月」筋書200円

文章読本」はようやく綺麗なのを入手。椿説のもとうに持っているけれども、この再演時に同時開催されていた椿説弓張月展のパンフとチラシが挟まっていたので購入。本当は箱に5〜6冊入ってて一箱200円だったのだが、他のはいらないのでこれのみ。そして2階へ。

舟橋聖一「白薊」(新潮社)昭和31年7月30日初版カバ献呈署名200円

「秘文字」(社会思想社)昭和54年2月28日函1000円

舟橋のは雁タレカバー装幀なので資料として購入。「秘文字」は持っていなかったので。と言っても暗号解答冊子欠。ただしあの冊子は申し込んだ人のみ申込の三ヶ月後に送付されたという。どっかでコピーしてこなくてはならない。

谷崎潤一郎細雪」(中央公論社)昭和24年5月20日上製再版凾付揃2000円

細雪」の初版は並製機械函入で、その後に紙質を変えた限定300部本が出る。そして角背上製本で作者自筆題箋帙の限定1000部の本が出て、おそらくその上製本の再版として出たのがこれ。函も貼函。しかしこれ、ありそうであんまり見かけず、前々から安く欲しいと思っていたもの。ようやく適価で見つけた。

しかしこんなものを買ったので、重い。

 

台風前の五反田

本日は和洋会古書展と五反田遊古会古書展の初日。ギリギリふたつまわれるかなと思っていたが、雨だからなのか、地元のバスが渋滞にはまり、五反田駅に到着したのは17時過ぎであった。これはもう和洋会ではなくて五反田だろときたわけである。

会場到着は17時20分くらいか。ざっと回る。月の輪さんがいたので挨拶して少し話す。というのは、今回は三島研究的になかなかすごいブツが出ていたので、それについて少し話を伺う。2点ほど購入し、2階へ。

ザーッと回っていくが、これというものがない。それでもちょっとは資料になるかなということで幾つか抱えて閉場時間、お会計。

吉田健一「日本について」(講談社昭和32年8月25日初版函200円

芸術祭十一月大歌舞伎筋書200円

「日本について」は書影は知っていたけれども手に取るのは初めてで、本体は真っ白な丸背上製本で天小口が黒染めになっている。黒白のツートンカラーで統一された装幀。函がスレが目立つのは気になるがこの安さならと。筋書はとうに持っているけれども三島の「芙蓉露大内実記」初演時のもの。

大宅壮一選集9「文学・文壇」(筑摩書房)昭和34年10月28日カバ400円

産業フロンティア物語「製紙〈王子製紙〉」(ダイヤモンド社)昭和昭和40年8月28日200円

大輪盛登「巷説出版界」(日本エディタースクール出版部)函帯200円

「趣味拡大号文豪国木田独歩」(信濃房)函シミ300円

大宅のはもうちょっと文壇批判みたいのあるかなと思ったが、あんまりなくて高かったのに残念。「製紙」はなかなか興味深かった。「文豪国木田独歩」は復刻版。ただこの復刻は、広告は全部削除、またこの号掲載の新進作家の短編16編も削除。薄めの紙の筒函がついている。どうせ復刻するなら広告も含めて全部復刻して欲しいところ。これとおんなじ体裁の尾崎紅葉のも前に買った覚えがある。

猫と馬鹿

趣味展である。

先週が窓展で開場前に駆けつけたが、これが二週も続くとなかなかつらい。体力的にも出費的にも、である。9時48分ごろに開場着。30人くらい列んでいるが、その後も続々と人が来て50名くらいかというところで開場。入り口のところで検温して階下に降りると既に入り口は開いている。扶桑書房の棚に駆けつける。棚が随分と少なくなった。扶桑書房の棚は壁面2つのみ。しかも半分のほとんどが目録掲載品。扶桑さんに伺うと、今後もずっと減らすという。

とはいえ、気のせいか今回はいつもより値段が下がっているような印象があった。開場から90分くらいで、リバースが結構あって面白い。それから会場を一回り。お昼、帳場に本を預けて、丸香にうどんを食べに行き、その後お茶して一服の後に再び会場へ。以前ならばここで田村の外台などを覗いていったものである。

ここであれこれと逡巡して、何冊も棚にもどし、お会計。

納所弁次郎編「日本軍歌」(博文館)明治25年4月7日袋500円

菊池幽芳「新聞売子」前編(駸々堂明治34年1月20日3版1000円

軍歌の本は袋目当て。本体は和装。歌詞は活字ではなく整版印刷で、美妙や小波など。「新聞売子」は催眠術がキモとなっている小説。多色刷木版口絵があるのだが誰のだかわからない。固有名詞などは日本に置き換わっているが元々はイギリスの小説。

夏目漱石吾輩は猫である」上巻(大倉書店)明治40年8月25日11版背痛2000円

夏目漱石吾輩は猫である」中巻(大倉書店)明治41年2月15日8版2500円

上巻は見返し補修、しかも雑。

村上浪六「馬鹿野郎」(金葉堂)明治44年7月19日函400円

「趣味」明治43年4月号400円

浪六のは函があったため。取り出し口に本体を取り出しやすいように半円状の切り抜きがある。明治期の本の函には、これ、よく見かけるような印象。もっと大きくいわばデザインとして採用しているような本もある。「欺かざるの記」元版などもそうだ。「趣味」はなかなか面白そうな記事があったため。

真山青果「青果集」(新潮社)明治41年4月25日再版400円

生田長江編「ダンヌンツイオ死の勝利」(青年学芸社)大正3年8月20日5版400円

加藤朝鳥編「ダンヌンツイオ犠牲」(青年学芸社)大正3年8月20日4版400円

青果集はもう一冊初版があったが1500円だったか。再版で十分とこちらを。ダヌンツィオは状態もよく嬉しい収穫。ともに青年学芸社のエッセンスシリーズ。

内田魯庵「読書放浪」(書物展望社昭和7年6月10日限定千部記番袋欠1000円

室生犀星「復讐」(竹村書房)昭和10年12月20日函欠800円

犀星のは表紙裏表紙ともに本作の原稿が印刷されているという装幀。装幀目当てでの購入。魯庵のは、先日普及版を購入したばかりであったが、当然こちらの背革装のが欲しかった。これは皮の状態もよく嬉しいところ。前見返しに魯庵の名刺が貼付されているが、これはデフォルトの仕様なのかしら。

書物展望社編「書祭」天(書物展望社)特装版昭和14年11月8日函400円

「書物趣味」昭和8年1月400円

「書物趣味」は座談会掲載のため。「書祭」は「書物展望」100号記念のアンソロジーで、過去同誌掲載のものよりピックアップし、天地人と3冊にまとめたもの。奥付によるとこの本は羽二重装幀の特装版らしく番号も奥付にあるが、限定何部なのかはわからない。普通は紙装なのかしらと。

永井龍男「自撰作品十一種」(新潮社)昭和49年6月25日函巻カバ500円

萩原朔太郎「月に吠える」(名著復刻全集近代文学館)カバ200円

永井龍男のは、実は前から綺麗なのが欲しかった本。背革装で本文2色刷。

十一代目市川團十郎襲名大興業筋書200円

「コメディアン」(俳優座)昭和46年1月1日200円

十一代目団十郎のは三島の「鰯売恋曳網」がある。昭和37年のものである。半券つき。「コメディアン」は俳優座の劇団新聞。アンケート集計などが掲載されていたので何かの資料になるかと購入。

いやはや、これでも絞りに絞っての購入なのだが、かなりの出費である。またあれこれと古本を売却しなければならない。

窓展からの秋風

即売展も久しぶりである。原稿用の資料などはポツポツ買っていたものの、古書展自体行けなかったり、行っても一冊も買わずだったりで、このブログに書くようなものはなかったのであった。そして久しぶりの窓展。なぜか地元が渋滞しており、バスが予定時間の20分後にくるといったアクシンデントがあって会場到着は9時55分ごろ。ゆっくり入場してあきつ書店の棚へ向かう。

最近はお金もないのでケチケチしており、今日買った一番高価な本は1100円。あとは全て千円以下である。それでもまあこれは資料で必要だしなあなどと自分に言い訳をしながら抱えていると、結構な量になってしまう。一旦帳場に取り置きしてもらってから、昼食に出てこれも久しぶりのキッチン南海でカツカレー。その後一服してから会場に戻る。リバースがチョロチョロとある。見逃していたところをじっくりと見る。予算を考えあれを戻し、これとあれを差し替えなどしてようようお会計。

佐々木信綱「歌之栞」(博文館)明治29年8月25日7版300円

丹羽瀧男「独学自在 日本速記法」(雙々舘)明治22年11月5日800円

普段なら買わない本。明治期の総革装というのと革の状態が良く安かったので。今後の原稿用。速記のは高かったが、若林玵蔵なんかのことを思い出しいってしまった。若林の伝記もあったけれどもそちらはパス。

森林黒猿「北清事変 日本の旗風 天津の巻」(田村書店明治35年11月20日3版袋200円

未知の本。従軍講談師による北清事変=義和団の乱の軍事講談。4巻でワンセットらしい。チラシや割引券なんかも挟まっていたが、これを買った理由は挟まっていた袋にある。写真右側が袋。これにちょっと興味深い印刷があって、これは原稿に使えると購入した次第。

ダンヌンツイオ(加藤朝鳥訳)「犠牲」(植竹書院)大正2年12月25日初版函900円

谷崎潤一郎「金と銀」(春陽堂大正7年10月19日再版函背欠1100円

植竹のダヌンチオのやつは函は初めて見た。菊版のクロス装。背は少し擦れているがピンピンの状態。植竹の書物だしということで購入。薔薇の意匠は函背にもあるが本体には無し。「死の勝利」なんかは薔薇小説と言われていたからそれでこの意匠なのか。「犠牲」は新潮社から後に出た縮刷本で読んだけれども、前に森田草平訳「快楽児」は買ったのに未読だったなあと。

横光利一「春は馬車に乗って」(改造社昭和2年1月12日初版函欠400円

松崎天民「裏面暗面実話」(平凡社:明治大正実話全集12)昭和4年10月10日函欠300円

内田魯庵「読書放浪」(書物展望社昭和8年4月3日普及版函欠400円

魯庵のは元は背革で布袋に入っている装幀のやつ。これは普及版。実話全集のは天民の著作。

野依秀市「風流夢譚の批判と国民への訴え」(芝園書房)昭和36年3月10日初版カバ200円

雑誌「現代」昭和29年12月号200円

野依のはまあ右派からの中央公論と風流夢譚批判の本。前からちょっと欲しいなと思っていたのだが安く手に入ってよかった。それから「現代」は三谷茉沙夫が編集発行人をしていた雑誌の第2号。当時才能ある10代作家とごく一時期話題になった作家で他号には三島由紀夫が旧稿をを寄せている。

木村毅「近代精神と文壇」(至文堂)初版函400円

紀田順一郎「内容見本にみる出版昭和史」(本の雑誌社)初版帯300円

木村のは村上浪六論が入っているので。紀田のは原稿用資料。

あんまり買いたくなかったのに、いってしまったなあと。いつか使えるかも、というのはもう理由にしてはいけないかもなあとも。本当にこのままではゴミ屋敷一直線である。

西部に朝イチ

西部古書会館に開場前に行って並んで開場と共に入場したことは前に一度ある。その時は元版(貼凾の)『悪徳の栄え』正続凾付を800円で見つけて喜んだ記憶がある。今調べてみると1998年10月3日であった。なんともう四半世紀近く前ではないか。当時はまだ中野区在住で自転車で行っていたのであった。

今日はvintage book lab.という1日限りの新しい古書展なのである。目録注文品もあり、前もって会場の棚の写真がTwitterにアップされ、盛林堂書店などは目録掲載品以外は500円均一だという。これは、ということで四半世紀ぶりに西部古書会館の開場前に赴く。開場10分前くらい、すでにガレージ部分は解放されていて、30人くらいはいたであろうか。入り口には半分くらいの客がぐじゃぐじゃに列んでいる。そして開場。もうここは靴を脱がなくても良いのである。これはというのを棚写真で見つけていたので、あるかなと行ってみると、ある。これもある、あれもあるとカゴに入れていく。群がっているお客は、おそらくはミステリ関係のコレクターが多いのであろう。文学系のものは案外残っていた。そこに目録注文していた盛林堂主人がやってきて注文品2点とも当たりという。まさか両方とも当たるとは思わず、予算が全然足りない。あれやこれやを棚に戻して、カゴを帳場に預けて外に出る。

銀行に行ってから戻ってお会計。古書仲間と合流し、その後、ぎょうざの満州で昼食、高円寺茶房でお茶して一服。今回はとてもいい買い物ができたのだが、先々月のパソコン買い替えやら、先月の「悪魔」のこともあり、一気に貧窮問答歌である。こんなに立て続けに高い買い物をしたのは初めてでではないか。相場よりもお安くいい本が買えたのではあるが、お金のことを考えると暗澹とする…。

まずは500円均一の収穫から。

大藪春彦「火制地帯」(浪速書房)昭和35年6月30日函欠

中原弓彦「虚栄の市」(河出書房新社)昭和39年1月25日初版帯欠少痛

寺山修司「誰か故郷を想はざる」(芳賀書店)昭和43年10月20日初版カバ帯

棚写真で目をつけていて一目散に確保したのが大藪のである。函欠で少し汚れがあるが、何を隠そうこの本はロス・マクドナルド「青いジャングル」(創元推理文庫)からの盗作が発覚し回収された本。それから「虚栄の市」は、本当は角川文庫版で欲しかったが、まあ読めれば十分とこちらの元版を。この河出ペーパーバックのシリーズは、帯とビニルカバーが外装。このシリーズは、ナボコフやメイラー、クロソウフスキーなんかを買ったなあと。結構いいラインナップだったなあという印象。寺山のはすでにもっているが帯のために購入。

小沼丹「汽船」(青娥書房)昭和46年6月25日初版凾帯月報付焼

郡司正勝荷風別れ」(コーベブックス)昭和51年9月25日凾帯

篠田知和基「土手の大浪」(コーベブックス)昭和51年11月30日凾帯

小沼丹は文庫本をもっているくらいだが、この「汽船」は前々から欲しかった本。ちょっと焼けがあるがまあ(確か帯が2種類ある)。それからコーベブックスの南柯叢書ー近代文学逍遥シリーズの荷風(郡司)、百間(篠田)。これは、限定500部記番入り。用紙や印刷、造本がいい。贅沢な和紙、活版印刷、シンプルな装幀、いまこんな本を作ろうと思っても作れないだろうなあと。このシリーズは数冊持っていて、金欠で売却したが、まあこの値段ならば持っていたい本である。

カッシーラー「個と宇宙」(名古屋大学出版会)カバ帯

出口裕弘澁澤龍彦の手紙」(朝日新聞社)カバ帯

菅沼定憲「いまなぜ寺山修司か」(彩流社)カバ

出口のは書き下ろしエッセイで三島文献、寺山のもちょっと読んでおきたかった本。

丸山薫「一日集」(版画荘)昭和11年9月15日凾

新興芸術派十二人「モダン・TOKIO円舞曲」(春陽堂昭和5年5月8日カバ欠15000円

丸山薫の方は均一棚からの収穫だが、世界大都会尖端ジャズ文学叢書のコレは目録注文品。これはもう昔から欲しかった本。このシリーズは同じデザインのカバーがつくが、カバ欠の少痛本ならなんとか手が出せる価格になるんではないか、と思ってはや20年。そんな都合の良い出物はなく、今回ようやく、である。そして、お次のが今回外れるだろうと実はたかを括っていた注文品。

泉鏡花婦系図」前編(春陽堂明治41年2月15日初版カバ欠

   「婦系図」後編(春陽堂大正2年4月1日3版カバ欠、前後編揃25000円

この辺はやはりいつかは欲しいというものだけれども重版口絵欠なら手が届くかもしれないが、そういう都合のいい出物はない。今回のは前編が前見返しが半分破れ、後編が本文一頁目が半分破れ欠なのである。モダン東京もあるしかなりキツいが、こういう出物はまずないだろうしと注文したもの。3版は少しクロスの質が異なり、背のタイトル文字も太明朝のような初版とは異なる書体で、ごくわずかだが判型が大きい。あれと思ったが印刷所が異なっていた。口絵は英朋と清方。良いのだけど、ここのところの立て続けの出費はキツい…色々売却していくしかないか。

 

我楽多市展、ラスト

先日届いた我楽多市の目録、真ん中にデカデカと「さよなら我楽多市」と印刷してあった。メンバーの加齢などが理由だという。目録を見ていくと、けやき書店なども参加している。そしてこれはという出物があり相場からしてもかなりお安い。ボロボロの函欠本なら所持しているがどうするか…と逡巡した挙句にとうとう注文してしまった。ということで、東京都では1日3万人のコロナ罹患者という今日、先日受けたPCRも陰性だったしと古書会館へ向かう。

到着したのは17時過ぎ。ざっと会場を回る。棚は少なめ。数百円分のみ抱えて、お会計。お金のこともあり注文品が当選していることは電話で確認していた。

谷崎潤一郎「悪魔」(籾山書店)大正2年1月20日初版凾付22000円

坂口安吾「日本論」(河出文庫)カバ100円

彷書月刊」特集 装丁•本のデザイン100円

シネセゾンあんなに愛しあったのに」パンフ200円

購入品は以上。「悪魔」の出費は痛い。痛いが、凾付がこの値段で買えることはまずない。本体背角に痛みがあり、凾も角に少し補修跡がある。こういう微妙な傷で安くなって出るという都合のいいパターンはあまりないしとエイやと行ってしまった。

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川添象郎「象の記憶」(DU BOOKS)署名入定価

西村賢太追悼文集」(GOTOGOTOBOOKS)定価

川添は「ヘアー」なんかのプロデューサーというかキャンティやってた人の息子。三島由紀夫がチラッと出てくるので購入。

藤田佑「小説の戦後 三島由紀夫論」(鼎書房)

これは献呈いただいた。感謝です。博士論文をまとめられたもので、藤田さん最初の単著。勉強させていただきます。