漁書日誌 3.0

はてなダイアリー廃止(201901)を受けてはてなブログに移設しました。

『谷崎潤一郎と書物』(秀明大学出版会)出ます!

拙著谷崎潤一郎と書物』秀明大学出版会)が10月1日発売となります。

先日、著者分が届きました。何冊も出している方からすればたわいもないことでしょうが、今まで共著編著ばかりで今回初めての単著でもありこうして一冊の形になるのは感慨ひとしおです。

f:id:taqueshix:20200925014759j:plain

f:id:taqueshix:20200925014830j:plain

f:id:taqueshix:20200925014713j:plain

A5判/xviii+283ページ/丸背上製本カバー装帯付/造本:真田幸治/図版多数

定価2800円(+税)

本体表紙はわたくしの本棚の写真、カバーには取り扱った谷崎の古書の意匠を使用。メインは古通の連載を大幅に加筆した「谷崎本書誌学序説」。そのほか水島爾保布や名越国三郎らによって挿絵が描かれてきた『人魚の嘆き』についてや、雑誌「初版本」に発表した論考、漆塗り表紙で知られる『春琴抄』各種刊本とアダプテーションの関わりを論じた論文など収録。とりわけ、序文後半の書き下ろし部分は、現在わたしの考える谷崎に限らない古書論となっています。購入は大型書店やネットが確実です。

何卒よろしくお願い申し上げます。

谷崎潤一郎と書物

谷崎潤一郎と書物

  • 作者:山中剛史
  • 発売日: 2020/10/01
  • メディア: 単行本
 

 

【付記】

 かねてより愛読しているブログ「表現急行2」さんが内容紹介を兼ねたご感想をアップしてくださっています。改めて感謝申し上げます。

師走の窓展

さて、窓展である。いつの間にやらもう12月、窓展も年内最後である。開場10分前に古書会館に到着。ひとりひとり熱を計測してから入るので、やはり時間がかかる。まずはあきつ書店の棚へ。ザーッと見てから、会場をぐるりと見ていく。お昼に古書仲間とうどんを食べに行き、喫茶店で一服してから会場へ戻り、さらに漁ってからお会計。

f:id:taqueshix:20211203221025j:plain

伊東橋塘「鳴渡雷於新」(中礼堂)明治23年3月11日印刷背改装200円

斎藤緑雨「あられ酒」(博文館)明治32年2月9日再版裸300円

尾崎紅葉「多情多恨」(春葉堂)明治36年9月30日7版函欠1500円

「多情多恨」は以前初版函付を持っていたのだが、金欠で売却してしまい、それを埋め合わせるように重版函欠汚本を買っていた。でも流石になあと言うので、今回大きいのはないしと買ってしまった。

f:id:taqueshix:20211203223833j:plain

堀口大学訳「マリイ・ロオランサン詩画集」(昭森社昭和11年6月1日限定函欠痛800円

丘汐絵「憂恨の湖」(宝文館)昭和11年9月5日6版函付200円

手札ガラス乾板写真ケース入500円

「ロオランサン」は限定700部(内100部は和紙刷)。特にこれというわけではないのだが、後ろ見返しに大きく「1946.12.15 ETSURO」とあり、このETSUROという筆跡が鈴木悦郎っぽいな、ということで購入。なんら根拠はないのだが直感で。それと、「憂恨の湖」は「令女界」常連投稿者の遺稿集。清水澄子の「ささやき」と造本、装幀も似ている。それからまたガラス乾板は初めて買ったもの。参考資料として。若い女性と母親(乳母?)か。

f:id:taqueshix:20211203220526j:plain

「新聞雑誌付録」(明治6年7月)600円

「興民新誌」(明治11年2月27日)200円

中央公論」(大正2年5月)300円

中央公論」(大正6年11月)300円

中央公論」(大正8年5月)300円

お次は雑誌。上から二つは参考資料として。「中央公論」は谷崎の作品初出ということで。既に持っていたかもしれないが。大正期のが300円ならまあ安い。

f:id:taqueshix:20211203225950j:plain

ロベール・ブラジヤック「七彩」(PLON)1965、300円

俳優座」パンフ100円

映画「テオレマ」パンフ200円

ブラジヤックの原書はリーヴル・ド・ポッシェ版。よくある文庫版みたいなものだが、生田耕作旧蔵(生田蔵書印と奢灞都館主蔵と手書)で300円ならまあと。フランスの出版の世界については全くの無知だけども、コラボ作家の戦前作なんてのは60年代でも普通にこういうペーパーバックで普及していたのねと思ったことであった。コラボ作家というだけで戦後はパージされているような幻想を抱いていた。これ、国書刊行会から出た翻訳書は持っていたな。

それからこれはネットで注文していた古書。

f:id:taqueshix:20211203224103j:plain

安藤貞之「樋口一葉を世に出した男 大橋乙羽」(百年書房)2185円

去年出た本で、編集者としての側面を含めて乙羽を論じたもの。限定500部という。昨年でた時からちょっと目をつけていた。

五反田そして神保町

本日は和洋会と五反田の二つの古書展初日。しかし仕事があり、パソコン入れた重いバッグを持って16時、さてどちらにいくかといえば、もう五反田しかない。明日も神保町に出る用事があるのでそちらは後回しということで、17時過ぎ、五反田に到着。1階ガレージでは、60年代資料ということで「救援ノート」200円を1冊。

2階の会場はというと、ザーッと回って、しかし今回はこれというのはなく、それでも数冊を購入。

f:id:taqueshix:20211127023435j:plain

原真男「色情と青年」(丸山舎書籍部)明治39年11月3日再版500円

芥川龍之介芋粥 他六篇」(春陽堂大正11年2月2日2版300円

f:id:taqueshix:20211127023451j:plain

「アートシアター」2号、300円

「短歌」昭和33年11月号200円

「色情と青年」という本は、表紙や扉には衛生新報社と発行元が明記されているのだが、奥付では異なっており、奥付裏の広告も天外の「コブシ」でこれも版元が異なるし、ちょっと正体不明。中身は当時のセクシャリティに関する言説資料としてなかなか面白い。アートシアターパンフは「オルフェの遺言」のもの。「短歌」は「新唱十人」と題して塚本邦雄岡井隆、春日井建、寺山修司らの自選歌を一挙掲載している号。ちょっと消化不良みたいなものだが、あまり散財せずに済んだと思えば。

そして翌日、所用で神保町に出たので、和洋会古書展の会場をザッとだけ見ていく。どうもこれはというものもなく、今度の原稿に使えるかということで、1冊のみ購入。

f:id:taqueshix:20211127231118j:plain

大橋乙羽「続千山万水」(博文館)明治33年2月25日初版カバー付1500円

これは造本が興味深いのである。細かいことは、今度原稿になったものを読んでもらうとして、購入したのはこれだけであった。

その後、帰宅してみると献本が届いていた。

大野ロベルトさん他編の舞踏論集である。大野さんは、10年以上ワタクシの漁書日誌の読者でもあり、またモーリス・サックスの「魔宴」の翻訳者でもある。大野さん、ありがとうございます。

****************

 

 

 

本と雑誌の11月

ここのところ入手したもの。

f:id:taqueshix:20211121000747j:plain

酒井潔「薫苑夜話」(三笠書房昭和8年6月5日初版カバ2760円

リー「詩は絵のごとく/絵は詩のごとく」(アートワークス)定価1800円+税

酒井潔のはカバー欠ならばだいぶ前に買って持っていたけれども、ようやくカバー付きを入手。リーの絵画論は、学生の頃にラオコーンを論じた際に参照したことがあり、その後、既訳本(中森義宗編「絵画と文学」)を入手していたが、みっちりした解説とともに直接注文のみで刊行されるというので注文したもの。パラゴーネ関連ではマスト文献。

*************************

f:id:taqueshix:20211123160838j:plain

文学フリマ東京2021に赴いた。文学フリマの存在は前から知っていたけれども、実際に会場に行ったのは初めてである。浜松町からモノレールに乗って、東京流通センターへ。文学系の同人誌即売会である。

f:id:taqueshix:20211123170448j:plain

f:id:taqueshix:20211123170932j:plain

「機関精神史」4号2500円

「Tri」9号500円

「機関精神史」を入手するために赴いたのである。特集は「東アジア・マニエリスムの迷宮」。帷子耀.の書き下ろし作品の他、四方田犬彦ロングインタビューに加え、毎度毎度この雑誌は意欲的で水準の高い論稿がギュッと詰まっているマストバイな雑誌である。とても一気には読めないので、これからポチポチ読んでいく。ちなみに帷子耀.は(車谷長吉。みたいに)今は「.」がつくそうである。Triは知人が関わっている短歌系雑誌。雑誌掲載座談会についての論考など。あまりない特集だし興味深い。

晴天趣味展

久しぶりの趣味展である。いつもの通り、9時40分ごろに古書会館に着いてみると行列がかなりある。しかも外の道に行列が出ないようとぐろでも巻くようにウネウネと。何のことはない、いつもであれば入り口を開けて会場直前まで入場しているところを、検温などでまだ入場していなかったからであった。実質、行列はいつもと同じくらいか。しかしまあ検温があるから入場も滞り場に足を踏み入れたのは開場してから5分くらいは経過していただろうか。真っ直ぐ扶桑書房の棚へ向かう。前ほどの押し合いへし合いはない。

袖珍本がずらりとある。片端から見ていく。やけに晶子の本も多い。先日の目録に出た新聞切り抜きの余りらしきものも幾つか出ている。あれやこれやと抜いていく。会場の他の棚も見る。そして11時過ぎ、仲間と共に昼食に出て、戻ってきてからリバース分など含めてじっくり見ていく。最終的に吟味して、購入したのは以下。

f:id:taqueshix:20211119233442j:plain

漣山人「かた糸」(春陽堂明治24年5月15日1000円

伊原青々園「勧工場」(駸々堂明治36年3月10日貸本印破300円

「青すだれ」(春陽堂明治34年1月29日口絵欠背補修300円

福地桜痴「葵御紋」(一二三館)明治28年10月15日5版800円

f:id:taqueshix:20211119233524j:plain

幸田露伴「尾花集」(青木嵩山堂)明治25年10月3日初版汚1500円

丸岡九華「山吹塚」(吉岡書店)明治24年2月28日背補修300円

まずは明治の単行本から。巌谷小波のは文学世界第4編。新作十二番と同じく本文は製版印刷で表紙周りは全て木版の凝った造本。2回前の趣味展の時から見かけていて迷っていた本。行ってしまった。それから青々園のは勧工場がテーマの小説は珍しいなと購入。紅葉、露伴、鴎外らによる「青すだれ」もそうだが、口絵欠でボロいので安い。桜痴のは木版口絵が残っているので少し高い。「尾花集」は永洗の木版口絵の折り込んであるやつで、重版は持っていたような気もするが…。新著百種のこれは持っていなかったやつ。

f:id:taqueshix:20211119233603j:plain

川路柳虹徳冨蘆花氏の「思ひ出の記」」(敬文館)大正4年4月5日500円

江馬修「人及び芸術家としての国木田独歩」(新潮社)大正6年12月12日初カバ切500円

渡辺霞亭「洗ひ髪」(駸々堂書店)大正7年7月20日再版400円

芥川龍之介戯作三昧他六篇」(春陽堂)大正10年9月11日4版300円

谷崎潤一郎「金色の死他三篇」(春陽堂大正11年5月15日2版印1000円

蘆花のは名著梗概シリーズ。あんまり見ないので安ければ買うようにしているが500円は高かったか。そして何よりヴェストポケット傑作叢書の「金色の死」は嬉しい。10年以上前に買って持ってはいるが、あんまり見ないところである。また最近日本文豪評伝叢書はカバーが挟まっていた。背のところで切れてしまっているが欠けもない。それから駸々堂の大正文庫というのは現代小説だったので買った。こういう判型のものは、立川文庫の時代劇という印象であったが、現代物もあったのかと。

f:id:taqueshix:20211119233734j:plain

福田琴月「福の神」(光村合資会社出版部)明治41年6月15日300円

工藤信之助「表現派の映画」(中央美術社)大正12年5月1日背補修表紙少欠500円

式場隆三郎「サド侯爵夫人」(昭和書房)昭和22年1月25日300円

「読書のすすめ」(創元社)昭和25年11月15日4版200円

最初のやつはよくわからないが、装幀で購入。横綴本。笑文庫シリーズの1冊。版元は雑誌「笑」を出しているところ。

そしてお次は雑誌。

f:id:taqueshix:20211119234454j:plain

「新声」(明治33年4月)800円

「文章世界」青鷺号(明治44年7月)500円

「新小説」(大正元年12月)口絵欠800円

「風俗科学」(昭和29年2月)300円

「新声」は生田葵山出てるからと買ったら小説ではなく美文であった。そういえば今日は、口絵欠だが鏡花の初出雑誌が800円でいくつもあったけれども、買わなかった。新小説も結構並んでいた。

これでもしかし、かなり削った方で、本当は鏡花共訳「沈鐘」初版疲本1500円とか現代文芸叢書も地味なところがズラッと出ていて幾つか抱えたが結局戻してしまったりした。でもこれでもちょいと予算オーバー。買いすぎである。

神保町から新大久保

所用で神保町に出て、それから扶桑事務所へ。

本を4冊買う。

f:id:taqueshix:20211113221432j:plain

f:id:taqueshix:20211113221529j:plain

「獨逸文壇六大家伝」(博文館)明治26年3月20日

春宵花人「女の十七八」(河野書店)大正8年12月25日5版

山下清「放浪日記」(河出書房:現代新書)昭和31年3月31日カバ以上3冊セット100円

小酒井不木「恋愛曲線」(春葉堂)大正15年11月15日5版函欠800円

3冊100円のと不木の創作探偵小説集。創作探偵小説集はやはり乱歩、いつかは函つきで欲しいところ。「寸珍百種」は内容ではなくこのシリーズを持っておきたかった。明治前期の袖珍サイズの叢書である。

*************************

 

こちらに「近代の絵入り本ー〈本の絵〉と〈版の表現〉の視点から」を寄稿されている表現急行2の木股知史先生より献本いただきました。ありがとうございます。とりわけ印刷関連の問題について勉強になります。

*************************

f:id:taqueshix:20211114161535j:plain

三島由紀夫小百科

井上隆史、久保田裕子、田尻芳樹、福田大輔、山中剛史編『三島由紀夫小百科』刊行されます。執筆者用の実物が届きましたが、もうそろそろ書店にも並びます。最新情報を盛り込んだ評伝、論考、作品案内など盛りだくさんです。

*************************

f:id:taqueshix:20211113184652j:plain

「葵上」「弱法師」@東京グローブ座

宮田慶子演出の「葵上」「弱法師」13日夜に観劇してきました。グローブ座自体、もう10年以上ぶりですが、ここはタッパがありますよね。万有引力の「奴婢訓」、ロマンチカの「真夏の夜の夢」それからパパ・タタフマラなどかつてここで観た芝居をあれこれと思い出しておりました。「葵上」では六条康子のさすがの風格、「弱法師」では俊徳の熱演が印象的な舞台。

 

神保町ブックフリマなど

青空古本まつりが昨年に引き続き今年もコロナにより中止となった。そのなかでも、すずらん通りで毎年やっているブックフェスだが、出版社有志によって個別に開催ということで、これは昨年も漁りに行ったのである。そして、今年もあるというので、所用もあって赴いた。

f:id:taqueshix:20211030143345j:plain

まずは白水社。何年前になるか、社内在庫(というか不良品交換用)の『閉ざされた城の中で語るイギリス人』特装版とか値切って安く買ったものであった。昨年は、白水社を囲むようにしてズラリと人が並んで(コロナ対策で)いるのを見て諦めてしまったが、今年はと向かってみると、今年も並んでいる。無理かなあと通り過ぎ、八木書店のところでやっている国書刊行会などの会場へ。ここも行列だが、聞くと15分くらいという。ここまで来たしと並ぶ。一律半額のところもあれば、2割引のところもある。定価の高い本はお得であろうが、ワタクシはこれといってなく、1冊のみ購入。

それからちょっと所用を済ませ、扶桑書房に。3冊100円コーナーが増補されており、そこから3冊抜きだして購入。

f:id:taqueshix:20211030225418j:plain

露華生「一むかし」(榎本文庫)大正3年10月25日痛

新居格「街の抛物線」(尖端社)昭和6年4月15日4版

谷崎潤一郎「盲目物語」(中央公論社)昭和21年7月5日改訂版凾補修

榎本文庫というのは大阪の榎本書店のもので、古通豆本くらいの大きさ、折込の口絵が入っている「少女小説」。豆本のような感じで面白いと買ってみる。

それから、皓星社の会場へ向かう。書物関係の資料が出ると聞いていたが、むろん来るのが遅すぎた。それでも雑誌と文庫を買って、同じビルの階下にある会場へと思ったらすでに閉店後。

f:id:taqueshix:20211030225455j:plain

堀江秀史「寺山修司の写真」(青土社)定価半額

徳富蘇峰「読書法」(講談社学術文庫)200円

「本の周辺」14,15号各200円

寺山のは八木書店のところ、他は皓星社のブースにて購入。「本の周辺」は青山虎之助インタビュー記事のためだが、14号の第一書房についての記事も面白い。

しかし、暗くなってから気付いたが、冨山房の会場と幻戯書房のブースに行くのを忘れた。特に後者、欲しい本があった…。まあしかし、あまり買わなかったのにも理由がある。というのは支払いがあったわけで。先だって来た扶桑目録の注文品である。

f:id:taqueshix:20211030225317j:plain

小川未明「雪の線路を歩いて」(岡村書店)大正4年4月10日初版凾8000円

江見水蔭「自己中心明治文壇史」(博文館)昭和2年10月28日初版凾4000円

未明のこの本はようやく凾付を入手。ほぼ新書判の角背上製本。ちょっと判型が面白い。それから「自己中心」はここのところずっと探していたもの。ちょっと必要あって明治文壇回想系を手当たり次第読んでいるのだが、これも、角川だったかの文学全集ものに収録されているのは抄録で、こちらの元本が凾欠千円くらいでないかと気をつけていたのだが、たまに妙に高いプレミア価のものが出たりして相場もよくわからなかったのである。これはいろいろ面白そう。

というようなことで、結構な古書を買ってしまっていたのであった。

特選古書即売展のみ

コロナの影響で、靖国通りの古本まつり、すずらん通りのブックフェスは中止。しかしながら、古書会館での特選は開催と。ということで、今日は特選の初日、朝イチで向かう。しかし地元のバスがかなり遅れ気味であったせいで、開場後に到着になってしまった。しかし今日は寒い。一寸前までTシャツでよかった気候が急に冬といった塩梅。しかも今日は雨。開場直後はけっこう人はいたが、まあ普通の即売展の朝イチくらいの混み具合か。

あきつを始めとして午前中はじっくりと見る。お昼はマルカにうどんを食べに行き、一服してからリバースを漁ってお会計。

f:id:taqueshix:20211022224941j:plain

中村正直訳「西国立志編」(自由閣)明治20年5月2日3刻400円

福地桜痴「増訂 もしや草紙」(日報社)明治21年11月22日1頁欠コピー補300円

森鴎外訳「寂しき人々」(金尾文淵堂)明治44年7月20日400円

西国立志編」は総クロス装だったので。「もしや草紙」は中に多数挿入されている石版挿絵が面白かったので、1頁コピーで補ってあるが問題なし。「寂しき人々」は前々からこの元版が欲しかったがケチケチして見送っていたもの。少し見返しに痛みがあるがこの価格は破格だろう。

f:id:taqueshix:20211022225013j:plain

永井荷風「歓楽」(易風社)奥付欠再製本300円

谷崎潤一郎「芸術一家言」(金星堂)大正11年10月20日初版凾3000円

北村兼子「ひげ」(改善社)昭和4年3月5日凾欠少痛500円

「日本名作小説」第1集(昭和23年10月15日)300円

「歓楽」は発禁本。ボロボロのは既に持っているが、奥付欠で再製本とはいえこれは安いだろうと。それから「芸術一家言」、もちろん、既に初版凾付は所持しているのだが、これは異装本。普通このシリーズは布装で背題簽なのだが、これは紙装。実はこの紙装本、背が真っ二つに割れた凾欠本であれば持っていたのだが、凾付は初めて見た。しかも黄色い凾。そしてちょっと面白資料を発見。

f:id:taqueshix:20211022224851j:plain

f:id:taqueshix:20211022224900j:plain

「砂絵呪縛 第二篇」台本(無刊記)400円

土師清二を原作とした阪妻プロの映画「砂絵呪縛 第二篇」(高橋寿光監督、1927)の活弁用台本かと思われる。大塚映画社の印がある。表紙の8の印は第8巻からという意味。ちょっと面白いし、この安さなら参考資料として持っておきたいと購入。

他にもいろいろと面白そうなものがあったが、ケチケチしてこれだけに絞ったもの。

********************************

以下は、ネットオークションで落札したもの。

f:id:taqueshix:20211023025552j:plain

齋藤磯雄「ボオドレエル研究」(東京創元社)昭和46年6月30日限定200部凾外凾2100円

生田耕作訳「初稿 眼球譚」(奢灞都館)昭和52年11月5日初凾3000円

「ボオドレエル研究」は欲しかった特装。総革装天金、著者署名入り記番。特装といっても普及版を総革装天金にしただけのような本。外箱もあるがボロい。ああいう無粋な段ボール外箱を書棚に並べたくない…そして「眼球譚」の方は奢灞都館の本のなかで一番好きな装幀。この本には2刷もある。既に所持しているが少しでもキレイな状態を求めて買ってしまった。こちらの出費もあるので会場では控えめにしたというのもある。