漁書日誌 3.0

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2月の窓展

2月2日、窓展初日。朝イチを目指して家を出るがバスを1本逃してしまい、結局会場についたのは10時5分。遅れたけれどもまあこんなものかとあきつ書店の棚をじっくり見てから、会場を回っていく。

佐藤春夫訳「定本ほるとがる文」(竹村書房)昭和9年4月25日帙300円

佐藤春夫「魔女」(以士帖印社)昭和6年10月5日読書家版宝石函欠300円

「ほるとがる文」は帙の紐欠。函にはサブタイトルのように改造社版全集の誤植のある訳文は抹消などと印刷してある。よほど気になっていたのであろう。本間久雄訳ドリアングレイの誤訳指摘でデビューした春夫らしいといえば言えるか。「魔女」はすでに表紙の宝石(ガラス玉)と合わせ函欠のものを持っているが少しでも状態がいいかなと安いので購入してみたもの。やっぱりガラス玉は取れやすいのか。

「創作撰集」1(文芸社)500円

横光利一「春は馬車に乗つて」(改造社昭和2年8月20日6版函400円

「創作撰集」は背表紙に文芸社とあるもプラトン社「女性」大正13年4月号の口絵と本文記事の余白を化粧断ちして新たな表紙をつけただけのもの。おそらく返品在庫をそのまま流用した出版だろう。奥付も雑誌のをそのまま使っている。横光のは重版だが函付きでこれは安いかなと。ただし函背は完全褪色で傷んでいる。

フェルステル作長田幹彦編「アルト・ハイデルベルヒ」(文芸日本社)大正14年7月25日裸奥付コピー400円

十一谷義三郎「唐人お吉」(日本小説文庫)昭和7年2月10日24版100円

幸田成友「番傘・風呂敷・書物」(書物展望社昭和14年6月18日再版函欠200円

伊藤佐喜雄「花の宴」(ぐろりあ・そさえて)昭和14年10月2日函欠300円

「アルト・ハイデルベルヒ」は初めて見た本で、世界文芸映画傑作集5。映画題名「思ひ出」の解説とスチール、そして本文は原作ではなく映画のノベライズ本のようだ。奥付欠がコピーで補ってある。「花の宴」は確か三島由紀夫十代の書簡に読んだようなこと書いてあったような朧な記憶のため。幸田の随筆集は実は函欠再版をすでに持っているのだが綴じが痛んでおり200円ならまあ交換用にいいかと。

いやはや、最近は買い物が少ないと嬉しい。お金のこともそうだが、何より置き場所や処分のことばかり考えて本を買っているという始末である。