漁書日誌 3.0

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連続朝イチ

先週は窓展そして今週は趣味展と、2週連続で朝イチの古書展であった。いつもより金も使うし、気力体力も使うので連続というのはちょっとキツいものがある。今日はまたちょっと路線バスが遅れて乗る予定だった電車に乗れず、結局古書会館についたのは開場5分前だったのだが、入り口に降りて行くとすでに開場していた。カゴを持って扶桑書房の棚に向かう。おおこれはというものは特になく、それでもいくつかカゴに。今日はやたら与謝野晶子の本が目立った。一応署名のあるなしを確認するが無し。博文館の「少年文学」がズラッとあったので、そこから一冊選ぶ。会場をぐるりと回っていく。オッという見つけものもあり、とりあえず帳場に預けて友人とお茶。

その後、再度会場に戻りリバース分などあるかどうか確認、その後カゴのものを吟味してお会計。

饗庭篁村「むら竹第14巻」(春陽堂明治23年3月21日裏表紙落書500円

尾崎紅葉「紅鹿子」(春陽堂明治29年2月4日3版背欠500円

尾崎紅葉金色夜叉 前編」(春陽堂明治31年7月6日初版裸

    「金色夜叉 中編」(春陽堂明治32年5月1日再版裸

    「金色夜叉 後編」(春陽堂明治34年11月12日3版裸揃800円

一応抱えたがと、「金色夜叉」の奥付を見るとなんと初版。残念ながら1冊だけだったがまあ。もちろん裸の揃いは既に持っている。「紅鹿子」は桂舟の挿絵がちらほらと入っている。表紙が痛んでいるが。「むら竹」は今回初めて買ってみたが、これは雑誌扱いの単行本で良いのか。つまり「新著百種」みたいなものか。

松林伯円「北雪美人 雪夜情誌」(駸々堂明治22年10月落丁奥付欠400円

村井弦斎「紀文大盡」(博文館)明治26年7月20日再版印400円

若菜家胡蝶編「端唄集」(松陽堂書店)大正8年10月25日400円

ボール表紙本は落丁部分のコピー(おそらく国会のデジコレ)が挟んであってまあこの値段ならとよく確認しなかったのだが、購入後よく見るとコピーは挟んであるのではなくてA4を折りたたんだのをノドに糊付けしていた。判型思い切りはみ出ているのに何してくれてるんだ。しかも奥付欠。国会デジコレで確認してみると冒頭の挿絵も一枚無い様子でこれは失敗したか。国会デジコレのは納本分で奥付の月日が流布本とは違っていそう。弦斎のは「少年文学」がズラッとあった中から状態がいいからと選んだもの。端唄のは「江戸歌曲叢書」というシリーズの1冊で一応木版口絵が入っている。携帯用の小型本。どれも装幀資料として購入。

志賀直哉豊年虫」(座右宝刊行会)昭和21年7月30日限定函帯欠

「書物往来」大正13年7月200円

「書物往来」大正14年2•3月200円

「遊女さめやま/談奇館随筆」内容見本(文芸市場社)200円

文芸市場社の内容見本?は「さめやま」と「香具師奥義書」「同性愛の種々相」のもの。談奇館随筆はそういえば「同性愛の種々相」は持ってないな。

岡倉由三郎「岡倉本・イーリア随筆」(帖面舎)昭和40年4月1日限定300部函220円

松居桃楼「アリの町のマリア北原怜子」(春秋社)昭和41年3月20日2刷函200円

生田耕作「黒い文学館」(白水社)昭和56年10月8日初版カバ帯200円

「イーリア随筆」は前にネットオークションで見たことがあって記憶に残っていた。手に取ると220円という安さ。背革天金で限定300部。ラムの「エリア随筆」の抄訳。戦前「英語青年」などに出たものを訳者没後に福原麟太郎が遺族に許可を取って出したものらしい。シンプルな装幀は瀟洒でいいものだが、いかんせん印刷が全体的にちょと掠れていたりして目障りなのが玉に瑕。

会計して外に出てみると雷鳴が低く轟いて雨が降っている。夕方からと予報で言っていたがもう降っているのかと10分くらい待機していたら止んだ。その間にと街に出たがまた降ってきて、これは止みそうもないというので傘を買って帰途。ぐったり疲れた。

こちらはネットオークションの落札品。

塚原渋柿園「葵と桐 上巻」(左久良書房)明治40年11月24日初版函

     「葵と桐 下巻」(左久良書房)明治40年11月26日初版函揃1100円

引き出すためのくり抜きがある函のために購入。正直、渋柿園は興味がない。函は元の函だと思うがタイトルなど一切文字はない印刷マーブルの函。くり抜きの半円は下なのか上なのかと思うが、跡がついているように上なのだろう。この時代、明治の末期あたりにこういう引き出し用の半円的くり抜きって見かけるような気がする。