漁書日誌 3.0

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趣味展とセール

先週まで都内の新規感染者数は20名とかそういうレベルだったのが急に1000人、2000人越えと第6波かという今週末、もしかしたら直前で中止になるかと思っていたが、趣味展は開催。今日は昼過ぎから仕事があってその準備のために寝不足ではあったが、いつもの時間に起床して出かける。が、バスを一本目の前で逃し、なおかつ途中で電車が急病人発生とかで一時停止。そんなこともあって会場到着は到着は開場5分前。

もちろん扶桑棚をじっくり見るのだが、心なしか、昨年よりも昨年よりも人垣が厚かった印象。ある程度見てから、今度は会場全体を見て回る。お昼、仲間に誘われて昼食に出て、その後、田村書店へ。後述するが、まさか店に入るのに行列ができているとは思わなかった。密になるというので入場制限。ここで並んで入る。いろいろ見たが、1冊も買わずに店を出て、軽くお茶して神保町を後にする。仕事の時間。

仕事が終わってからは、また古書会館に舞い戻り。16時すぎくらいであったであろうか。注文品2点は共に当たっていた。会場を再度回って、吟味タイム。注文品もあったせいでかなりの出費になってしまったが、お会計。

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川上眉山「大村少尉」(春陽堂明治29年5月4日痛口絵欠300円

高山樗牛「滝口入道」(春陽堂明治36年6月29日4版500円

「大村少尉」は表紙周りかなりボロボロだがまあ300円なら。本来は水野年方の木版口絵がある。一方、樗牛の方は重版だがこちらは年方の木版口絵は無事。

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饗庭篁村「掘り出し物」(新著百種2)明治22年5月29日初表紙痛1000円

尾崎紅葉「恋山賤」(梁江堂)明治41年10月10日初綴印500円

篁村はちょっと高いが、まあいいかと。

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小川未明「底の社会へ」(岡村書店)大正3年9月5日初版函印6500円

小川未明「悩ましき外景」(天佑社)大正8年8月1日初版献呈署名入4800円

この2点が目録注文品。「底の社会」は所持しているが函付となったので差替え。実は「悩ましき」も既に所持しているが、1冊くらい署名本をと。

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淀野隆三他訳「スワン家の方」(武蔵野書院昭和6年7月18日初版800円

矢野峰人「去年の雪」(大雅新書)カバ帯小野二郎宛献呈署名入200円

小栗風葉あんない」(2号)200円

三島由紀夫「レター教室」(ちくま文庫)重版カバ帯200円

プルーストは太宰「晩年」装幀モデル本ゆえに。これ以外は他の店の棚で。「去年の雪」は、献呈署名本が同価格でもう1冊あったがケチって1冊のみ。小野二郎って晶文社立ち上げたあの小野二郎だよねと署名本持っているのに買ってしまう。「レター教室」は三島没後50年の時に限定帯をつけたら話題になって急遽「帯をつけた表紙」柄のカバーをつけたもの。結構買ってしまって、なかなか辛い事になる。

で、先ほど述べた田村書店のセールの話。1月11日より初版本3割引、一般書5割引にそれぞれ消費税というセールが行われると知ったので、11日は雨の降るなか授業前に早く家を出て田村書店を見てきたのである。

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(写真は金曜日のもの)
そこで買った本が以下。

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石原吉郎「日常への強制」(構造社)昭和45年12月25日著者本限定200部函欠5000円

生田耕作クノップフの世紀」(奢灞都館)平成7年3月2100円

カイザー「美と芸術の対話エルヴィン」(南窓社)正続カバ揃2400円

価格は元の値段で、これから割引された。前々から何か狙っているものがあれば別だが、例えば函欠のパノフスキー土星とメランコリー」12000円でこれが半額+消費税で6600円は安いのだが、それなら今ちょっと必要な新刊書が2冊は買えるではないか、などとケチケチ躊躇し、結局はたいして買い物しなかった。ただ、石原吉郎は別で、ちょうど函欠が出ているのが目につき、確か限定版は署名入りだったよなと見ると建石修志エッチングも口絵として入っているしと買ってしまったもの。セールのおかげで普及版の古書買うのと同じくらいで買えたわけだが。