さて、先週の下町古書展も行きそびれてしまい、結局、今年最後の古書はネット注文したものが年内に届くか否かというところである。たまに扶桑書房目録で行ってしまう他は、なかなか財布の紐が堅くなった。新刊書も、文庫、新書、平凡社ライブラリや講談社選書メチエ以上となると、まずは古書を探す。そういうケチさが浸透している。来季から仕事が減り、収入が減ると気が滅入るばかり。
12月17日、五反田古書店に赴く。早めにきてじっくり見れば面白い本もあっただろうなと思わせるような棚の並び。注文した「間一髪」(ポオの森田思軒訳)2000円はハズレ。以下のものを購入。
土井晩翠「天地有情」(博文館)明治33年2月24日5版裸200円
紀室公民編「蘆花傑作集」(積文堂)昭和16年6月10日10版200円
萩原恭次郎「死刑宣告」(ほるぷ復刻版)函300円
「蘆花傑作集」は前にも花袋のを買った明治文豪選集。「死刑宣告」は復刻版だが、こういう特殊な装幀のものは復刻でも持っていたいところ。
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この年末バタバタと三島由紀夫関係の舞台が続くのでそれを記しておく。
綾の鼓@KAAT神奈川芸術劇場
能楽に「触発」され、三島の近代能楽集に「インスピレーション」を得たというオリジナル台本。日本語、仏語交互に織り交ぜている台本で、ダンサーに恋する老人を笈田ヨシが演じている。12月24日夜。
サーカス@ココキタ
ウタービジョンカンパニー公演。会場は、王子からバスに乗って行くところで、元小学校をそのまま居抜きで使ったところ。しかしこの舞台がなかなかのなかなかのめっけもので、いわゆるリーディング劇とも違う。本文は全部俳優に入っていて、複数の俳優と人形(大小)を浄瑠璃のように使いつつ、音楽はピアノやサックス、パーカッションなどの生演奏。人形の造形の独特さ、衣裳もよく、サーカスものだのに湿っぽい「天然の美」などを使わず、教室を会場に使って上演されたものだが、全体的なその手作り感と人形などの造形がよくマッチし、とてもセンスが良い。色々と可能性を感じさせる面白い舞台であった。12月25日夜。
ということで今年のクリスマスはイブから三島関連舞台。しかも明けて27日は、渋谷で岡部道男の映画をメインに上演するアンダーグラウンド・フィルム・フェスティバル@ユーロライブ。岡部道男の映画は、もう10年以上前にシネマ下北沢でアンダーグラウンド・アーカイブス1958ー1976という特集をやった時にいくつか見ただけであったので、今回は是非と思っていたもの。午後1時から9時過ぎまでずっぷりと見たので流石に疲れた。
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最近買った・頂戴した新刊書
まずは雪岱挿絵で知られる邦枝完二「おせん」の連載誌面を復元した単行本。今年春に日比谷図書館での雪岱展でトークさせてもらった真田幸治君が編集から装幀から何からやったもので、まさに彼の情熱の賜物のような出来栄え。
以下は最近買った新刊書。