漁書日誌 3.0

はてなダイアリー廃止(201901)を受けてはてなブログに移設しました。

多忙の中の愛書、遊古、趣味展

1月20日、金曜日は寝過ごし蟄居していたので土曜日こそと都内に出る。まずは本部会館での愛書会。ザーッと急いで回って2冊ほど。

三上於菟吉「明治大正世界実話全集2」(平凡社昭和4年5月20日函300円

川端康成「古都」(新潮社)昭和58年8月20日17刷函帯200円

実話全集は三上於菟吉「悲恋情死実話」の巻で近松ものの紹介のほか明治以降の有名な情死事件を物語風に描いている。川端のはちょっと必要あって探していたものだが、本当は初版が欲しい。これは80年代になって初刊時の造本で重版したもののようだ。で、踵を返して一路五反田へ向かう。

マクラオド片山廣子訳「かなしき女王」(第一書房大正14年3月15日初版函欠痛500円

松尾ちよ子「ママ、おうちが燃えてるの」(やしま書房)昭和36年5月15日初版カバ500円

「かなしき女王」は背の下部が欠けているし落書きもありという状態だが、まあ。「ママ、おうちが燃えてるの」はこれを原作とした映画を知っていて(未見)そのタイトルから一体どんなものだと思っていたのだが、片親で育児に苦労する職業夫人の苦労話といったところか。シャレで本など買っている余裕は全くないのに買ってしまった。

************

1月26日、趣味展初日。9時46分くらいに会場到着。50人くらい並んでいるか。48分くらいに入り口が開き、階下の会場へ並ぶ。57分くらいに開場。扶桑書房の棚へ。今日は井伏鱒二祭りであれこれどっさりと出ていた印象。先日届いた扶桑書房目録速報では注文したもの全て外れたのでムムムと臨んだが、これというものは特になし。「花物語Ⅱ」重版裸800円というのを手にしていたが、実際持っているしと手放す。吟味にすえに購入したのは以下。

村井弦斎「日の出島蓬莱の巻」(春陽堂明治30年5月6日2000円

村上浪六「当世五人男 後篇」(青木高山堂明治30年10月20日3版1000円

竹内楠三編訳「学理応用 催眠術自在」(大学館)明治37年9月25日25版1500円

天遊・天来「松むしすずむし」(岡崎屋書店)明治39年9月30日3版500円

催眠術の本は思わず買ってしまった今回一番高価な本。以前ならこれこの10倍は軽くしていたろう。以前「催眠術と日本近代」なんて本を読んで影響され、幾つか明治期の催眠関連の本を買ったことがある。「松むしすずむし」は新体詩叢書の一冊。

マゾッホ青樹繁訳「性の受難者」(南海書院)昭和3年6月15日66版カバ400円

向井啓雄「特殊女性」(文藝春秋新社)昭和30年12月20日カバ欠200円

ところで以下は、ここのところネットで入手したもの。

高橋康也編「アリスの絵本」(牧神社)昭和50年9月30日第2版2刷ビニカバ函210円

「アリスの絵本」は牧神社の出版物の中でもかなり売れた方ではなかろうか。今まで全く食指が動かなかったが、牧神社資料として、しかも安かったので購入。

バタイユ生田耕作訳「眼球譚」(約翰舎)昭和59年10月函署名2000円

この本ではほとんど必ずと言っていいほど背が褪色している。今回のもそうなのだが、それ以外は状態よく訳者署名も入っている。昔はこの5倍くらいしたのだが。

橋本真理「黄昏の系譜」(深夜叢書社)昭和47年3月15日初版カバ帯500円

橋本真理は、先日詩集を買ったが、散文ではどうだろうと安く探していたもの。