漁書日誌 3.0

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年内最後か

金曜日、所用で都内に出たついでに下町古書展に赴く。注文品もなくザッとみただけだが、2冊ほど購入。

「フェデリコ・ガルシーア・ロルカ1917ー1925」(牧神社)昭和52年9月1日再版函300円

大庭柯公「複刻 古本屋太平記」(sumus文庫)550円

牧神社の実質的なロルカ全集は全3巻、編年体。これは1巻に相当し本来は帯がある。牧神社のものということで参考資料として。分厚いクロス装でカラー口絵のある本だが、これが300円か。スムース文庫はちょっと高いなと思ったがまあ。

そして以下はネットオークションで入手したもの。

ウォルポール平井呈一訳)「オトラント城綺譚」(牧神社)昭和50年9月9日限定65部夫婦函外函13923円

谷崎潤一郎「新版春琴抄」(創元社昭和9年12月20日初版函1000円

かなりの出費だが資料として致し方ない。「新版春琴抄」はついでに買ったものだが、実はこの版の初版を持っていなかったため。重版は持っているが拙著では知人に写真を借りたのである(初版は微妙に函が異なるのである)。そして「オトラント城綺譚」限定本は牧神社資料として。牧神社の特装本は、これと「ヴァテック」65部本しかなかったはず。「世紀末英文学史」とか「ノヴァーリス全集」とかの特装本は予告だけで終わってしまったし。

そして「オトラント城綺譚」特装は訳者急逝のためにごく少部数のみ訳者署名入りだという。今回のは番号なしの番外本なんで、版元倒産の時に放出されたストックか。本文は無事だが扉や函にかなりのポツポツカビがある。なのでこの値段。こちらとしてはとりあえず状態悪いのを安くと思っているのでこれはちょうどよかった。流石に65部だとなかなかお目にかかれない。背コーネル山羊革、平と見返しがマーブル、本文耳付きアンカット(天金ではない)。まあスタンダードな特装本。しかし本文組がなかなか小さくてもうワンポイント書体大きくてもよかったかもなあと。生成に地味目のマーブルもいい感じ(色味としては写真で見る「ヴァテック」特装よりこちらの方が気に入っている)。ただなぜ夫婦函には題箋がないのだろう。むしろダンボールの外箱の題簽を夫婦函に貼付してほしいくらいで、ダンボールの外箱が嫌いなワタクシとしてはむしろ輸送函として無地でいいと思っている。書架に段ボールを並べたくないのである。