漁書日誌 3.0

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窓展2日目

窓展である。いつもは初日朝イチに列ぶのだが、今回は所用があり2日目の夕方、閉場30分前くらいに到着。佐野繁次郎も今週月曜授業の前にザッと流し見に来ただけなのでじっくりゆっくりみようと思っていたが、今日も次があったので見ること叶わず。で、まずは会場に入ってあきつ書店の棚へ。

「胸の鍵」(上田屋書店)明治35年6月10日再版400円

「乙女ごころ」(上田屋書店)明治35年4月22日初版600円

ポー「宝ほり」(内外出版協会)明治35年7月3日背欠300円

最初の2冊は英文愛読叢書というシリーズで英文小説と訳註という形のものだが、そもそも誰の作品なのか作者名が一切記載されていない。中の挿絵や表紙絵含めて海外の通俗小説をそのままパクったようなものだろうけれども。ポーの方は原文、訳文、訳註が収録。これはpoeのthe gold bugのこと。おそらく教科書のようなものだと思われる。

大場景明他訳「ウヰルソン氏第三リードル直訳」(日新館)明治19年4月21日再版200円

中村可雄「シエークスピーヤ」(博文館)明治34年3月13日400円

柳父章「翻訳とはなにか」(法政大学出版局)カバ300円

ボール紙本は安かったんで参考資料として。シェイクスピアのは「世界歴史譚」という叢書の一冊。文学ではなく歴史シリーズに入るのかと。

戸田翠香編「実業宝典」(博文館)明治34年1月1日カバ付900円

こちらは今日一番の大物・高額商品。こんなものをなぜ買ったのかというと、これ背革装の分厚い辞典な訳だけど、いわゆる垂れカバーというか耳付きカバーなのですよ。これ厚さ10センチ近い本なのだけど、これを見るとカバー(というか耳付きカバー)は包装紙というかパッケージの一種だったのだなというのがよくわかる。これはいい資料だと購入した次第。

こんな重い本を抱えながら、この後下北沢に向かい大野露井氏の新刊訳著出版記念のトークに向かったのであった。