漁書日誌 3.0

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年末年始の古書

年末年始、特に年明け後の正月には風邪をひいて正月どころではなく、何ともなあという感じであったが、ネットを中心にして古書は買っていた。

まずは年末に買ったもの。

ノヴァーリス全集」(牧神社)初版凾付3巻揃5000円

マルセル・ベアリュ「水蜘蛛」(エディション・アルシーヴ)函628円

ベックフォード「ヴァテック」(牧神社)函カバ別刷付859円

ノヴァーリスは地元の古本屋で。帯はないし今更なのだけれども、ちょっと今後の書き物の資料として。昔は1巻だけでこの値段を超えていたな。中身は旧訳ばかりの集成だしテクストとしてはアレなのだろうけれども、サテン張の本体装幀は好きである。背も大きく亀の子文字のみというのもいい。

ソムニウム叢書も全部帯付(全4冊中3冊が帯がついている)で集めたかったがいいやと安く入手へ舵を切り。ただ牧神社の「ヴァテック」は函を巻いている巻紙付きで欲しかった。正直言って、この「ヴァテック」の装幀は好きではない。ベージュにエンジ色の背のクロス装の本体も好きになれないし、何より段ボールたとう函も嫌い、その上にこの巻紙?というのが本当に嫌い。嫌いだが資料として今回はこれがついているのを探して買っている。こういうの70年代の本に何故か多い。当時の流行りなんだろうか。これがまた書棚で引っかかったりして、だから嫌いなのである(河出の日夏全集とかも)。またアルシーヴ叢書も1冊も持ってなかったのは、函に印刷したカバーというか紙を巻きつけている装幀のためである。ペヨトル工房にも数冊似たような函にカバーを巻いた装幀のものがあり、「ロクス・ソルス」は読みたいから仕方なく買って読んだが、個人的に好みではない。でもまあ資料として買う。今回買った「水蜘蛛」説明はなかったが冒頭が乱丁でページが逆さになっていた。まあ安いし欠けもないから返品もしないけれども。

そして年明け、いくつかの古書が届く。

「牧神」4号、10号、11号、各330円

「詩集マンダラ」(東雲堂書店)大正4年3月15日少痛810円

「牧神」は探していた号で、これで通常号の1〜12号は全部揃った。「詩集マンダラ」は富本憲吉装幀で、購入したのは装幀のため。露風、白秋、敏らの詩を収録。「酒ほがひ」もそうだが装幀にアラビア文字やらを使ったりするものが明治から大正期にいくつかありちょっと興味を持っている。

種村季弘「影法師の誘惑」(冥草舎)昭和49年9月25日函1000円

これは仕事の帰りに下北沢の古本屋に立ち寄って買ったもの。冥草舎の出版物として購入。本当は帯付で千円以下で欲しかった。

横尾忠則「PUSH」(講談社)昭和47年6月16日初函500円

こちらは池袋の三省堂古本まつりで購入。2日目だかに仕事の帰りに立ち寄ってざっとみて、これくらいかなと。この本、帯がないと函背には講談社とあるだけで真っ白。裏表紙面には大きくPUSHと印刷してあるのだが、ぱっと見なんだかわからない。本文もところどころに金髪ヌード写真が挿入してあり、その上で直接本文が印刷してあって意図的に読みづらいという体裁。今時はこういうの作られないだろうなということで購入。

現代演劇協会附属劇団雲」昭和39年1月300円

筋書「芸術祭参加師走興行大歌舞伎」(東京劇場)昭和24年12月150円

これは愛書会古書展での買い物。初日にチラッと覗いただけだったが、こんなものを。雲のはマスコミ用宣材のアルバムか。上製本で縦型なのが珍しいかなと。歌舞伎の筋書きは三島由紀夫逸文収録なので。コピーは持っていたがようやく実物入手。

そして上記の写真は、羽良多平吉『二角形』(港の人)出版記念トークイベント「1. 詩、2. デザインが与えられたとせよ──『断章集 二角形』をめぐって」@東京都中小企業会館に赴いた際に近所の森岡書店で開催していた羽良多平吉展。トークは、オルタナ編集者の郡淳一郎さんや元「アイデア」編集長の室賀清徳さんら。ワタクシの場合、羽良多平吉装幀で最初にグッときたのは雑誌「地下演劇」である。「ヘヴン」は3冊ほど安く出ていたのを学生時代に買って持っていたが、どうしても欲しいという知人に譲ってしまい、今では後悔している。それはそうと「二角形」は、印刷?製本?トラブルがあり当日完成に間に合わずということで、トーク会場ではギリギリ完成した数冊が回覧されたが、予約をしてきた。限定500部、署名入りの由で郵送されるという。
しかし年末からこのかた、牧神社や冥草舎、エディション・アルシーヴなどのリトルプレスの本を資料と称して買っている。別に実物があればいいというわけでもないが、実物あればこそ書けることもあろう。

そして後日届いた「二角形」。著者による黒銀金ペンによる署名入り。