漁書日誌 3.0

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師走の古書

12月20日金曜日、仕事終わりに歌舞伎座へ駆けつけて、夜の部の泉鏡花作「天守物語」へ。坂東玉三郎主演・演出。もちろん幕見だが、幕見でも瞬殺で売切れる。歌舞伎座には4年ぶりだろうか。そして土曜日、昼から日本近代文学館での三島由紀夫生誕100年祭で受付などをしてから、五反田へ向かう。16時半過ぎに南部古書会館到着。

五反田遊古会古書展、2日目。注文品は2点。しかし両方ともハズレ。ざっと1階ガレージを見て1冊買ってから、2階を急いで回る。

藤森善貢「本をつくる者の心」(日本エディタースクール出版部)カバ帯200円

辰野隆「りやん」(白水社昭和10年7月10日初版函500円

ガレージでは「本をつくる者の心」を。編集者本でちょいと参考に。「りやん」は装幀のために前から格安で欲しかったもの。雁垂れ的な表紙なのである。

「奢灞都(復刻版)」(牧神社)1976年4月30日13冊解説目次帙1000円

「我が師我が友 松浦竹夫」(松浦竹夫先生を偲ぶ会)1999年12月13日500円

「浪速書店古書目録42号」300円

「我が師我が友 松浦竹夫」は珍しい。初めて見たもので、一周忌で配布したものらしい。表紙が浪曼劇場パンフのような意匠。そして「奢灞都」。次があるのでこんなの持ち帰りたくないなあと思ったが、この値段なら致し方なし。牧神社資料として。

しかし「奢灞都」は重かった。この次のイベント、オルタナ編集者の郡淳一郎さんによる純粋トークショーの出演者としてそそくさと浅草橋へ向かうのであった…。

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以下はネットで入手したもの。

プラトン全集「メノン篇」(第一書房昭和12年6月15日新装版函印300円

背コーネル革装。4段マウント。いい造本。この値段ならと。

吉川英治「檜山兄弟」下巻(新潮社)昭和8年3月23日初版函390円

以前、昨年だったかにこの上巻をバカ安でオークションにて入手していたのだが、今回もバカ安。これで上下が揃った。堂本印象装幀、挿絵。重いしデカい本。

井伏鱒二「田園l記」(作品社)昭和9年5月15日初版函美8000円

国木田独歩「黄金の林」(大阪屋号書店)大正5年2月20日初版函2500円

別に井伏を集めているわけでも、佐野繁次郎装幀本を集めているわけでもないが、装幀資料(原稿ネタ)として「田園記」を購入。「黄金の林」は勘違いして注文してしまったものだが、届いてみるとこれがなかなかキュートな本。木版装幀の表紙、天小口は表紙と同じ色の藤色で染めてある。