真夏のvintage book lab.展である。これは朝イチで向かわないと、ということで、いつもの趣味展よりも早く家を出る。前日台風直撃かという感じだったが、結局かすって関東はそれた感じ。当日朝はまだ雨ではないかと思っていたがそれは回避。しかしながら台風一過の晴天、朝から暑い。高円寺の西部古書会館もなんだかんだ言って、vbl展でしか行かなくなってしまった。交通費が掛かりので致し方ないが。
で、9時半ごろ高円寺に到着。まずはバス乗り場の方にある喫煙所で一服してから、古書会館へ向かう。すでにガレージは開いていて、まだ並んでいるという感じでもない。ガレージは値札がないものは200円均一。そこそこ人がいるので早めにと入り口前に並ぶ。手の届く範囲で少し本を見て、抱える。しかし暑い。そして10時開場。入ってすぐに荷物置き場があるが荷物は必ずしも預けなくてもよい。カゴを持って盛林堂の棚へ。全品500円均一。ここはTwitterでなんとなく全部の棚写真をアップするので、特徴のある本はなんとなくわかる。これ500円ならなと目をつけていた本をまずはカゴに入れていく。「稲垣足穂大全」函付揃、「大坪砂男全集」函帯付揃を手早くカゴに。もうこれだけでカゴは満杯、しかしカゴは全部出払っている。ちょっと心配だが、邪魔にならないように棚の脇にカゴを置いて、手ぶらで棚を改めて見ていく。いくつか抱え、いくつか戻し。1時間半くらい経過すると、盛林堂棚でもいくつかリバース品が出てきて、改めて吟味。カゴも余ってきたので2カゴ。とてもじゃないが手で持って帰れないので、宅急便で送ることに。ただ会場で頼むと、翌々日に着払いのみということだったので、送付予定のものだけを先に会計して近くのクロネコヤマトの事務所へ持ち込み。
さて、その後会場で知人を誘ってぎょうざの満州へ昼食へ。タンメンと焼き餃子セット950円。
で、再度会場に戻ってきてまたさーっと見てからお勘定。ということでまずは手で持って帰った分から(200円のはガレージまたは館内の200円コーナーから)。
吉田一穂「黒潮回帰」(一路書苑)昭和23年11月15日カバ
長谷川四郎「鶴」(みすず書房)昭和28年10月10日2刷カバ帯付
「鶴」は装幀参考資料として。雁たれカバーなので。井伏はこれはちょっと嬉しいと思ったのだが(帰宅したら昨年ここで購入していることが判明、全く忘れていた)。
ジョイス(柳瀬尚紀他訳)「フィネガン徹夜祭」(都市出版社)昭和46年12月25日初版函
澁澤龍彦「黄金時代」(薔薇十字社)昭和46年10月1日2版函帯
「黄金時代」はちょうど帯付が欲しかったところで嬉しいのだが、しかしこの帯、記憶にある初版の帯と違うような気がする。で調べてみたらやっぱり違っていた。初版の帯は松山俊太郎が書いている。これは石川淳による新聞評。澁澤あたりは原稿用に。
稲垣足穂「人間人形時代」(工作舎)昭和50年1月1日初版カバ帯
澁澤龍彦「うつろ舟」(河出書房新社)昭和61年6月16日初版函帯
両方とも装幀を考えるための資料として。考えるってったってつまり原稿用資料である。杉浦康平の穴あき装幀は前から欲しかった。今日の棚にも2冊同じのがあったがより状態が良い方を買ってきた。澁澤のは先日重版を買ったのだが、こちらは初版。
シュネデール編「現代フランス幻想小説」(白水社)昭和46年9月27日2刷カバ
窪田般弥他編「フランス幻想文学傑作選2」(白水社)昭和58年2月25日初カバ帯
こちらは70〜80年代幻想文学ブームを支えた幻想文学アンソロジーとも言える本を資料用に。2000円なら買わないが500円ならと。
メーテルランク(杉本秀太郎訳)「詩集 温室」(雪華社)昭和60年4月17日函
宇佐見英治「夢の口」(湯川書房)昭和55年4月15日初函200円
「温室」は雪華社翻訳ものということで、宇佐見英治は湯川書房本ということで。つまり資料用。
石原裕次郎「わが青春物語」(東西文明社)昭和33年7月1日初版カバ
裕次郎のは昭和史資料として。見返しにサインが印刷されているが、ネット検索するとこれを本物として売っている古本屋もあるようだ…。寺山のは、これずっと安く探していた本。大抵3500円くらいするのだが、1000円くらいではなかなか見つけられず、ようやく。新装版出ているがもちろんこちらの元版が欲しかった。
庄司孝男「吉田健一とティオペペ」(私家版)平成12年2月21日2版
生田誠・山田俊幸「明治美術絵葉書」(スムース文庫)平成17年12月20日
「幻想と怪奇」創刊号(1973.4)
「アートシアター」特別号セレクションATGスペシャル200円
「ティオペペ」は2版が出ているとは知らなかった。「幻想と怪奇」は資料用。どうもこの表紙とかが嫌いで、今まで手に取ることすらなかった雑誌。ATGのは特別号だったので。
アルトー(生田耕作訳)「アンドレ・ブルトンへの手紙」(奢灞都館)元セロ
伊達得夫「詩人たちユリイカ抄」(平凡社ライブラリー)カバ200円
澁澤も伊達のも元版を持っているけれど、持ち歩いて読む用として文庫版を。
で、翌日宅急便で届いた分が以下。
「大坪砂男全集1」(薔薇十字社)昭和47年5月16日初版函帯月報
「大坪砂男全集2」(薔薇十字社)昭和47年5月26日初版函帯月報
家には帯欠本をすでに所持しているので、帯用だと思っていたのだが、なんと本体も函も今回買った方が状態がいい(ただし1の方は背が白く褪色)。大坪砂男は今は文庫で全集が出ているのだがやっぱり薔薇十字社本として持っておきたいということから。
すべて月報欠。今更こんなものを買ってどうするのだというのもある。そもそもこんなに場所を食うものを置く場所などないぞとも。だがこれはいつか揃えて自室の本棚に置きたかった本でもある(筑摩版ではなくあくまでこちらの現代思潮社版を)。勢いで買ってしまったがどうしようかと。
ラング(生田耕作訳)「書斎」(白水社)昭和57年11月5日2刷函200円
「書斎」開場前にガレージで抱えたもの。もちろん持っているけれども、ちょっと取り出しづらい場所にあり、読み用に。
14時くらいに会場を出て、駅の反対側にあるカフェに行ってぐったりと休み、帰途。