漁書日誌 3.0

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腐っても鯛

今日はぐろりあ会古書展、初日。16時半ごろ会場到着。今日は用事があって約40分だけ見て退散。会場を一巡りして、大したものはないかなと思いきや、ぐるっと会場を回って最後にきた棚のところでこれはというのを発見。

樋口一葉「一葉全集」(博文館)明治30年1月7日初版表紙奥付欠痛200円

ヴィリエ・ド・リラダン「トリビュラ・ボノメ」(白水社)昭和26年10月10日5版函500円

いやあ「一葉全集」である。ボロボロの一葉全集があるなあ、一応何版なのか確認しておくかとめくってみると、奥付欠。あんだよ、と思ったが、なんと木版口絵がついている。一葉全集は初版のみ木版口絵があり、以降は肖像写真となって「校訂一葉全集」とタイトルも中身も変わるのである。奥付は欠だがこれは初版に間違いない。まあ200円ならいい買い物だ。

そしてリラダン。トリビュラ・ボノメなんかは学生時代に並製カバー装の重版を買って読んだものだが、初版の並製貼函入は持っていなかった。それが戦後の重版本では、貼函入の背クロス上製本になっているのを知らなかった。再版以降は太平洋戦争も始まって粗末な造本だったが(昔読んだのはこれ)、よもや戦後の重版が上製本になっているとは。どうも紙型が焼かれずに済んだので昭和22年に重版したようだが、その際は貼函入の並製。そしてこの昭和26年版が上製本となっている。この後にも重版されているのかどうか。再版後記でも、1947版後記でも、それぞれ改訳の手を入れた由。では持っているならこの上製本の重版がいいなと購入。

明治文化全集」(日本評論社)内容見本200円

「明治大正文学大全集」(春陽堂)内容見本100円

「世界文学全集」(新潮社)内容見本書込み100円

現代日本文学全集」第2回内容見本書込み100円

これらの内容見本も安くて嬉しい。現代日本文学全集のはすでに持っているが100円ならと購入。

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こちらはおととい、仕事帰りにフラと立ち寄った下北沢の古書店で購入したもの。

塚本邦雄ハムレット」(深夜叢書社)昭和47年10月20日初版帯300円

フェンテス(安藤哲行訳)「アウラ」(エディシオン・アルシーヴ)昭和56年8月20日初版函帯1000円

松本和男「堀口大学「婀娜の魚沼びと」考」(森開社)平成8年8月31日函帯1000円

塚本のは無論所持しているが褪色している帯の交換用に。そして森開社のは私家版300部のうち森開社が100部を市販とある。これは献呈挨拶状と月報的な付録が挟まっていた。これ確か出た当時にぽえむ・ぱろうるだったかのガラスケースにあって存在は知っていた。森開社が発売を請け負った私家版という形だろうか。文字の印刷されてない薄い貼函に入った並製本。そして「アウラ」だが、これはちょっと資料として。羽良多平吉デザイン。