漁書日誌 3.0

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年明け趣味展

さて、年末年始ほかに古書展あったかもしれないが、あれやこれやで行けなかったのがある。三省堂書店池袋の大古本市もそうだ。注文はしていたのだが、外れたのでそのままになってしまった。毎年欠かさず行っていたのだが。

で、1月14日初日の趣味展。いつもよりもちょっと早く、9時40分には到着。それでも40人くらいは並んでいたか。検温があるので、3分前くらいには開場。まずは扶桑書房の棚へ。今回は、やたら野口米次郎の本が多かった印象。一通り漁ってから、会場を一周。色々と悩みながらも吟味し数を減らしたが、それでも結構いってしまいそう。昼に友人とちょいと抜けてお茶してから再度リバース分などを見て、お会計。

水谷不倒「枯野の真葛」(春陽堂明治30年8月8日1500円

夏目漱石「漾虚集」(大倉書店)大正6年1月24日11版1500円

不倒のは永洗の木版口絵入り。漾虚集の方はご存じ橋口五葉装。

リヒテル「小説 社会主義が実行されたなら」(天書閣書楼)明治43年4月10日400円

柳原白蓮「踏絵」(竹柏会)大正10年6月11日6版200円

佐藤春夫「純情詩集」(新潮社)大正12年4月30日8版300円

社会主義」はなかなか面白そうと購入。ドイツ作家の翻訳らしいのだが、小説の中身はドイツが舞台なのに人物は皆日本人にしてありなんだか妙な感じ。白蓮のはだいぶ前に持っていたのを売ってしまったので。夢二装で夢二の口絵も入っている。この本は、前に総革装の本を買ったことがあるが特装らしい。そして「純情詩集」。これももちろん重版は既に持っている。前に何で読んだのか思い出せないのだが、確かこの本も特装本があってそれは重版の一部に羽二重装幀がある云々といったことを読んだ朧な記憶がある。あれでも元々これって羽二重装ではという疑問もあったが、奥付の検印が印ではなくて万年筆で書いた「春」だったので、この値段ならいいかと購入。しかしあれは何で読んだんだろう。

現代日本の底辺1「最下層の人びと」(三一書房)初カバ200円

現代日本の底辺2「行商人と日雇」(三一書房)初カバ月報200円

現代日本の底辺3「行商人と日雇」(三一書房)再カバ200円

フーケ「ウンディーネ」(ホセコルティ)1943背割1000円

現代日本の底辺」は全4巻、300円以下縛りで探してきたがこれで揃った。しかしカバー違いがある。ただ月報はまだ2冊分足りない。こんなの集めている人はいないだろうが、当時のドキュメントとして興味深い。

それからウンディーネ

フーケ没後100年を記念して出た仏語訳で、ヴァランティーヌ・ユゴーリトグラフが挿絵として18葉挿入されている。この女流画家はブルトンの本で知ったなあ。まあ千円ならば手が出るかと購入。前にも趣味展だったか窓展だったかで、アラステア挿絵の仏語訳サロメを買ったことがあるが、こういう本がポンと紛れているのが面白い。

三島由紀夫関連演劇チラシ一括1000円

映画「RAMPO」パンフ300円

三島関連チラシはNLTのリュイ・ブラス、浪曼劇場のクレオパトラ、皇女フェドラ、薔薇と海賊。同じものが10枚以上どさっと入っている演目もある。

これでもかなり抑えたつもりだが結構な金額になってしまった。貧乏書生としては、またあれこれと本を売却しなければならない。