漁書日誌 3.0

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寒い日々の古書など

だいぶ時間が空いてしまった。この間に、池袋三省堂古本まつり、城南古書展があり、また日本の古本屋でも買い物をし、扶桑書房の豪華な目録も届いた。一応記録としてここに書いておきたいと思う。

まずは三省堂池袋本店古本まつり。初日は行けず、2日目にいく。

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古橋亀吉「記憶法」(私刊)明治39年3月25日印500円

辻潤著作集別巻「年譜」(R出版社)昭和51年7月10日2版カバ500円

河盛好蔵「回想の本棚」(中公文庫)カバ220円

小林和幸編「明治史講義テーマ篇」(ちくま新書)カバ帯330円

「シナリオ」(1971年10月号)300円

「記憶法」というのは謎の本(というより冊子)で、著者序文の日付は明治29年となっている。かつてどこか出版社から出した本を自分で刷って売っていたのか。何かの焼き直しなのか不明。「シナリオ」は三島原作の「潮騒」シナリオ掲載号。注文品もなく、ケチケチとこれだけ買ったのみ。

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浅井香織「音楽の〈現代〉が始まったとき」(中公新書)カバ帯150円

城南展では、この新書1冊のみ。なかなか評判がいいと聞いていたので、ホイと見つかったのはよかった。

で、これはたまたま前から安く欲しいなと思ってい、日本の古本屋を検索したら出てきたので注文したもの。

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塚本邦雄麒麟騎手」(著者本)限定100部夫婦函外函3300円

これは寺山論や寺山宛塚本書簡が収録されている本で、元版は新書館から出ている。これに総革装の特装があると知って、こんなレリーフ嵌め込みのデコデコした夫婦函なんかいらないから、裸本で安くないかしらと思っていたものであった。大体今の相場は1万円前後かと思っていたのだが、ひょいと検索してみたら手の届く価格で出ていたので注文したもの。今これを書くためによく見たら、新書館という版元名はどこにもない。著者本として元版を改装したわけだ。総革装で革と同じ色で天が染めてある。冒頭には元版にはない著者本である明記と記番、寺山修司へささげる一首が印刷と自筆で入っている。この書簡が昭和30年代の状況を伝えていて面白いのである。

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さて、扶桑書房目録も届いた。いつもの速報ではなく、知人でもある某コレクターが手放したコレクションのオールカラーの目録である。さすが極美本にこだわったコレクターだけに、掲載品もすごい一級品ばかり。

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漱石荷風、谷崎、芥川、犀星、その他と別れて掲載されたそれはどれもこれも外装付きの極美本でワタクシなどには全く手が出ないものばかりだが、資料としてこれは永久保存の目録である。そもそも同一書店の同一目録で荷風の「野心」が同時に2冊出るとか前代未聞なのではないか。発禁本「ふらんす物語」、「墨東綺譚」「腕くらべ」私家版ほか、「高野聖」カバー付、情話新集初版全揃等々。

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倉田翠×飴屋法水三重県足立区甲府住吉メゾン・ド・メルシー徒歩0分、入浴中」(北千住BUoY)

芝居は、上記のを見に行ってきた。この北千住のスペースに来るのも、数年前に飴屋の舞台を見にきて以来か。今回も演劇というよりパフォーマンスというか独特なものであった。2月24日観劇。

以下は、ここのところ買った新刊書。