漁書日誌 3.0

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ここのところの古書

まずは先週の紙魚展。今回は目録が来なかったので、これは目録を切られたか…? と思ったのだが、当日会場の入り口に封筒入れがなかったようだったので、もしかしたら今回は目録なかったのかもしれない。

会場に到着したのは閉場10分前。もうザッと見るだけであったが、それでも3冊ほど。

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荒正人「小説家」(カッパブックス昭和32年6月5日初版カバ300円

伊藤整「改訂 文学入門」(カッパブックス)昭和43年6月10日改訂22版カバ200円

権田萬治「松本清張 時代の闇を見つめた作家」(文藝春秋)カバ帯500円

古い新書は面白いものがままあるので、ということで。「小説家」は面白い本で既に持っているのだが、ちょっと汚れがあるので書い直し。伊藤整は「小説の認識」とか「近代文学入門」とか結構新書というフォーマットで出しているような印象があるけれども、これはやはり「女性に関する十二章」がベストセラーになったという経験からなのだろうか。権田萬治のはちょいと清張についてお勉強しないといけないので資料として。

続いてはその前の週の愛書会古書展。この時は閉場40分前くらいに会場到着。ザッと会場全体を見ていく中で、どっさりと映画、演劇関連のプログラムや筋書が出ている棚があり、集中的にそこをチェック。結局その箇所だけを30分くらいは漁って結局プログラムのみの買い物となった。

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「五月興行大歌舞伎」筋書(大阪歌舞伎座)200円

「モルガンお雪」プログラム(梅田コマ劇場)300円

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池田高校演劇部プログラム第11回発表会150円

NLT「リュイ・ブラス」プログラム200円

プログラムばかり4冊。大阪歌舞伎座のは谷崎源氏を上演した時のもので、昭和29年5月の興行。ちょうど谷崎源氏がかなり売れて舞台化されたという流れの時のもの。モルガンお雪は梅田コマでの再演か。何年のものかどこにも記載がないのだが、ネット検索してみると第4回コマ・ミュージカルとして上演されたのは昭和32年のようだ。それからちょっと面白いのが、池田高校演劇部のもの。高校演劇部にしては立派なプログラムだし、国際演劇月参加なんてことも記載してある、当時としてはかなり意識の高い(!)もの。三島由紀夫の「卒塔婆小町」を上演しているため。それからNLTのは既に所持しているがあまりに安いので。裏表紙に図書番号?のようなものが書かれており、これは図書館蔵書だったのかもしれない。

で、あいも変わらずゲルピンなものだから、古書展ではなるべく安く安くあげようと500円でも高いなあというところなのだが、それというのも、やはり個別にネットで古書を買っているというのもあったりする。それはヤフオクだったりメルカリだったりマケプレであったりするのだが。

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アンナ・ツィマ「シブヤで目覚めて」(河出書房新社)カバ帯

ジョン・ノールズ「青春の谷間」(早川書房)カバ

前田愛他「現代読者考」(日本エディタースクール出版部)カバ帯

中江桂子編「昭和文化のダイナミクス」(ミネルヴァ書房)カバ帯

一番高いので千円、あとは300円とかそういう価格のもの。ちょっと気になるなというものでも2〜300円くらいで出ているとひょいと買ってしまう(マケプレの場合はそこに250円だの350円だのとプラスされるのだが)。これもチリも積もれば…で気をつけなければならない。

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兵藤裕己「物語の近代」(岩波書店)カバ帯2000円

黒瀬珂瀾「黒耀宮」(泥書房)署名定価

「物語の近代」はお勉強用で日本の古本屋から。「黒耀宮」は文庫化されたと聞き、書店によっては署名入りを売っていたりしたのだが、署名本はあっという間に売り切れ、メルカリなんかに転売されている。いつかは買えるだろうと思っていたら、ちょうどネット販売で署名入り販売の情報を得たので注文したもの。新品購入である。

こう考えると結構買っている。原稿仕事でばたついていたり、4月からの仕事が減ってかなりの収入減になったりでなかなかきつい。

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unrato公演「薔薇と海賊」(大河内直子演出)2022年3月4〜13日@東京芸術劇場ウェスト

3月8日ソワレを観劇。今まで「薔薇と海賊」は他劇団上演のものを何本か見てきているが、おそらくそれらの中でも一番出来が良かったし、楽しめた。俳優については無知だが、適材適所でキャスティングも良かったし、演出もとりわけラストの幻想のシーンが顕現するところなどは、一瞬モノクロになったりするシーンもあったりして興味深く観たことであった。