漁書日誌 3.0

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神田古本まつりから趣味展そして雨

ようやく春めいてきたかと思ったら急に寒くなったり、不安定な天候。木曜日、神田古本まつりというので、午後、ゆっくりと見にいく。

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上田秋成全集一」(富山房百科文庫)昭和13年11月10日初カバ200円

マダム・マサコ「実用とシック」(カッパブックス)昭和31年12月20日初カバ200円

「おとし穴」パンフ200円

「舢板」(2003年12月)100円

三輪太郎「憂国者たち」(文藝春秋)初カバ帯300円

太宰治「晩年」(ほるぷ)帯500円

ざっと流して買ったのが以上のもの。秋成は持っていたかもしれない。「おとし穴」パンフは「アートシアター」。安部公房原作。

そして翌日は、趣味展の初日。古本まつり初日はいいお天気であったが、一転、趣味展初日は冷えて今にも雨が降りそうな雲行き。傘を持参。開場10分前くらいに到着。会場と共に雪崩れ込む。と言っても、かなり後ろの方だったので、扶桑棚に到着した時はすでに棚に空きがあって「あそこらへんのガサっと持っていかれたな」というのがわかったくらい。それでもじっくり見て、お昼。仲間と昼食に抜けて、喫茶店で一服してから会場に戻り、リバースチェックとカゴの中身を再吟味。今日はなぜか生田長江の単行本があれこれと目立っていた。

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尾崎紅葉三人妻」(春陽堂明治36年12月9日校訂4版裸400円

生田弘治「読書の趣味」(内外出版協会)明治40年10月10日合本400円

岩野泡鳴「耽溺」(易風社)明治40年5月1日初版背痛1000円

三人妻」は校訂版。「読書の趣味」はジェームス・ボードウィンという人の翻訳と生田弘治の読書論とがセットになって合本になっているもの。「耽溺」は前回の趣味展にもあったが前は1500円だった(と思う)ので見送ったもの。背の無理な補修で開きが悪いのだがまあ。

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生田星郊編「明治時代文範」(博文館)明治40年12月8日裏表紙外れ300円

溝口白羊「不如帰の歌」(岡村書店)明治39年8月20日16版300円

田山花袋「合歓の花」(春陽堂大正8年8月20日8版400円

菊池寛「わが文芸陣」(新潮社)大正12年12月3日初版400円

「不如帰の歌」は何冊か所持しているが巻頭には清方の木版口絵入り。「明治時代文範」はなかなか使えそうな資料、通俗作文全書の一冊。

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徳永直「光をかかぐる人々」(河出書房)昭和19年3月5日2版カバ300円

「刑事警察参考資料」10輯(国家地方警察静岡県本部刑事部捜査課)昭和23年10月5日200円

筒井清忠編「昭和史講義戦後編」(上)(下)カバ帯各300円

結構吟味したつもりだが、またこんなに買ってしまった。お昼には雨が降り出し、その後はずっと雨。寝不足でクタクタのていで帰途。雨のせいで、古本まつりのワゴンは全部無しのようである。

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吉田健一「乞食王子」(新潮社)昭和31年12月25日再版カバ330円

岩井弘融「犯罪文化」(講談社ミリオンブックス)昭和33年7月25日220円

高橋睦郎「詩から無限に遠く」(思潮社)昭和52年1月10日初版函帯220円

荻窪に出て古書ワルツを覗いてから神保町の古本まつりに行く予定だったのだが、なんと中央線が御茶ノ水駅に到着してみると雨が降っている。古書ワゴンは皆すでに店じまいということでダアとなった。吉田健一初期のものは安く欲しかったので嬉しい。高橋睦郎のは、かつて同じ本の献呈署名本を田村書店の外ワゴンで安く買ったのだが、それは函がかなり傷んでいてお安く取り替え用が欲しかったのであった。ささま書店から古書ワルツになって初めて来たかも。