漁書日誌 3.0

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久方ぶりの特選&青展

コロナでずっと中止続きであった神田古本まつり、今年はようやく開催ということで、久々に赴いてきた。まずは古書会館での特選。9時50分くらいに会場到着してみると、20人くらい並んでいたか。私が最後尾に着くと、その後も10人くらい並ぶ。趣味展よりは少ない、という印象。

10時、開場。まずはあきつ書店の棚に向かう。混み合っている。前に見た本もあるけれども、前よりも値札が安くなっているような。それからけやき書店、かわほり堂、魚山堂と回る。11時半ごろ、帳場に取り置きを頼んで、会場を出る。

次は青展会場。駿河台下交差点から靖国通り沿いにズラリと古本ワゴンが並んでいる。サイン本1冊200円というワゴンがあったので、どれと覗いてみると、お、これはというのがあって購入。それからざっと流して見ていくが、目につくのは新刊の学術書でどれだけ安くなっているかというくらい。そして盛林堂書店のワゴンについた。ご店主に挨拶される。かなり混んでいる。胡蝶本から戦後ミステリ系まであれこれとある。まずはと、三島の本を1冊。

それから友人らと合流、喫茶ラドリオへ行く。ラドリオ、年末にここを立ち退いて移転するというニュースを聞いたばかり。

さて、その後、交差点を渡って北沢書店の先の方くらいまで一応見ていく。ただし買ったものはなし。途中、古書いろどりのワゴンに立ち寄り、寄稿したペーパー「国会図書館は本だけじゃない」著者分を頂戴する。そして古書会館へ戻るさ、盛林堂ワゴンの前を改めて見ると、補充をしている。ここから数冊を吟味して購入。全て500円の本。

三島由紀夫「遠乗会」(新潮社)昭和27年2月5日2刷カバ500円

夜の会編「新しい芸術の探求」(月曜書房)昭和24年5月5日500円

 

岩橋邦枝「逆光線」(三笠書房)昭和31年7月25日初版カバ帯月報署名200円

深沢七郎「東京のプリンスたち」(中央公論社)昭和34年11月30日初版函500円

ジャリ(伊東守男訳)「馬的思考」(サンリオSF文庫)カバ500円

「遠乗会」は2刷だったけれども逆に見たことがなかったので購入。深沢七郎のは持っているけれどもこちらの方が所持本より綺麗かもと。「馬的思考」は20年前に神保町の書肆ひぐらしだったか、これは最安値だろと2500円で買ったと思う。500円で綺麗なのがあったので悔しくて購入。ここまでは盛林堂のワゴン。「逆光線」はサイン本200円均一の他の古本屋で。女慎太郎と言われた岩橋のこれは帯つきで欲しかったもの。ただし署名は晩年のものだった(署名入れてもらった日時場所メモの付箋がついていた)。

それから古書会館へ行って、改めてあきつなどの棚を見ていく。いくつか戻し、いくつか抱え、ようようお会計。買ったのは以下。

巌谷小波「かた糸」(春陽堂明治25年5月25日少痛500円

草村北星「相思怨」(隆文館)明治39年10月20日8版1200円

小波のは文学世界シリーズの一編。前にも買ったけれども安いので。北星のは春汀の木版口絵入りだったので。これは絵柄もよくちょっと嬉しい。

村上浪六「倉橋幸蔵」(青木嵩山堂)明治35年4月2日印少痛600円

伊藤銀月「最新東京繁昌記」(内外出版協会)上巻明治36年2月20日背補修300円

浪六のは年方木版口絵。銀月のはちょっと面白そうで。

横光利一「機械」(白水社昭和6年4月10日初版凾付1200円

長田幹彦「青春時代」(出版東京)昭和27年11月10日初版カバ付300円

大木実「あの舞台この舞台」(劇評社)昭和30年12月14日初版300円

「機械」を適価で入手できたのはよかった。佐野繁次郎装幀。この頃の白水社の造本はどれも好みである。

かなり抑えたつもりであったが、明日のすずらん通りブックフェスもあり財布の紐はきつく締めていきたいものである。