漁書日誌 3.0

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発熱チェック古書展+ささま閉店

昨日、ツイッター荻窪ささま書店が5日に閉店し、木曜から在庫セールだとの情報を得た。ささまが閉店って、そうなったらもう荻窪に下車することもなくなるのではないか、というくらいの存在である。この漁書日誌(ブログ以前のサイトの方)だと1999年の記述にもう出てくる。たぶん1997年か98年くらいに行き始めていると思う。なかなか広く、薄利多売でお高めの学術本が安く買えたり、たまに戦前の本がぽつりとあったりする、という印象。ここがなくなるのはきついな。惜しい。これはいかなくてはなあと思っていた。

で、今日である。向かう途中でツイッターを開くと、既に混雑している様子。このコロナ禍もなんのそのである。どうも今日木曜から、西部古書会館で青札市というのをやっているらしいことを知り、だったらどうせ荻窪くんだりまでいくのであればと、まずはそちらに行くことにする。

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入口では体温を計測して熱がないか確認してから入場できる。おでこに小さい拳銃型のものを向けると熱が測れるというもの。そして入場にあたって消毒アルコールも用意されていた。

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いやしかし、西部古書会館も久々である。半年、いや、1年ぶりくらいか。今日は入ったところにみすず書房岩波書店人文書が、ボールペンの線引きがあるが安くドッサリ並んでいて、この程度ならとあれこれ漁っていた。

で、結局買ったのは以下。

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グリーンブラッド「ルネサンスの自己成型」(みすず書房)カバ800円

村上淳一「仮想の近代」(東京大学出版局)カバ200円

演劇実験室天井桟敷チラシ500円

早稲田祭1958パンフレット540円

最初の2冊は、ほんのわずかにボールペンによる線引きがあるが、たったこれだけでこんなに安いなら大歓迎的なもので、ホントはこの他にも数冊抱えていたが、ささまでの買い物を考えて手放した。それから天井桟敷のチラシは「青ひげ」と「伯爵令嬢小鷹狩鞠子の七つの大罪」を同時上演したときのもの。初期桟敷のチラシが500円なら。それから早稲田祭パンフは、この数年前のやつなら寺山修司の「忘れた領分」とか出ているだろうと参考に買ってみたもの(帰宅後調べてみると、寺山のを上演したのは昭和31年5月の「緑の詩祭」であって学祭ではないみたい)。それでも豪華な面子の催しが目白押しで、例えばミステリクラブは乱歩と清張らを読んで講演、ほかにも中野重治尾崎士郎の講演、増村保造野添ひとみゲストに呼んでの映画上映等々いまとは比べものにならない感じ。

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で、17時過ぎにそこを出て、今度は一路荻窪へ。ささま書店を目指す。このくらいの時間になると冷たい風が強く吹く。寒い。と、既に店の中にはかなりの人。店内のものはすべて1割引で、合計1万円以上の買物だと2割引になるという。

まあしかし、先日きたばかりだよなあとザーッと回って、以下のものを購入。

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岡野他家夫「日本出版文化史」(原書房)凾帯1000円

大正演劇研究会編「大正の演劇と都市」(武蔵野書房)カバ帯500円

近代文芸復刻叢刊「屋上庭園」(冬至書房)帙段ボール凾110円

とくにこれというものはなかったけれども、出版文化史はこの復刻版の方を安く欲しかった(紙質がいい)。棚はけっこうスカスカになっているところもあって、かなり売れているのだなあと思われた。頻繁ではないけれども、20年ちょい通っていろいろな買物をした記憶に充ちており、やはり閉店はさびしいものである。