漁書日誌 3.0

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小雨の合間の古書展/シーザー原稿

ぐろりや展古書展初日。注文品は無い。
16時過ぎ。ザーッとまわる。ところどころ黒っぽい棚もないことはないけれど、あまり食指は動かず。裸のくせにこれでもちょっと高いなとケチケチ思いつつ、1冊。
麺処くるりの跡地は、新たなラーメン屋になっていた。
サッと田村書店などを覗いてから、都営線で五反田へ向かう。五反田では、今日からアート・ブック・バザール。いつも五反田で楽しみにしている雑本の山がないのはさびしい限りではあるのだが、閉場は19時と1時間遅い。ほかの古書展もあと1時間遅いとかなり助かるのだけどなあと思いつつも無理だろう。

会場は2階のみ。いつもとは棚の組み方も違うし、帳場も入口右奥になっている。壊れたカメラやキャラクターグッズ(のデッドストック?)やら、本も写真集や画集、アート関連書が多い。それでもザーッとチェックして、まあこれならと買ったのは図録1冊に単行本1冊。

ドイツ・ロマン派全集10「ドイツ・ロマン派論考」(国書刊行会)凾欠1080円
内堀弘「古本の時間」(晶文社)2刷カバ500円
世田谷文学館横光利一川端康成展」図録500円
ドイツ・ロマン派がぐろりや会で、残りは五反田での買い物。他の巻は特に欲しいのはないけれども、国書のドイツ・ロマン派全集ではこの論考の巻のみは欲しかった。たまに見つけても3千円前後。裸本だがお勉強用だしいいやと。論考系だと凝った版面デザインも邪魔な感じが。
それから、内堀氏のは新刊当初から今度今度と忘れていたもので、帰りに喫茶店に立ち寄ってほとんど読んでしまった。寺山修司の「忘れた領分」原稿の話が出てくるが、もうどこかに収まったのであろうか。早稲田の「緑の詩祭」で上演され、確か河野典生が演出、当時河野の恋人だった野中ユリが美術を担当したのではなかったか。今では1999年に出た「寺山修司の忘れもの」という単行本未収録作品集に当時の台本から収録されて簡単に読むことが出来る。
で、もう1冊写っているのは、ネット古書店に先日注文したものである。
永田久光「恐るべき広告」(虎書房)昭和32年7月10日7版カバ帯元パラ350円
これはちょっと興味があった本で、石原慎太郎も、深沢七郎原田康子もみんな広告で作られた新人に過ぎない、と喝破している興味深い本である。
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10月の11日および12日に恵比寿のガーデンホールというところで、寺山修司生誕80周年記念音楽祭「冥途への手紙」というコンサートが開催された。これは、というので2日目に参戦。

寺山修司の演劇実験室◎天井桟敷で音楽を担当していたJ.A.シーザーの楽曲をメインに、種々のゲストを招いたコンサートである。蘭妖子や御年81の新高恵子、映画「田園に死す」で主役の少年を演った人といった天井桟敷ゆかりの人々による歌唱や朗読、渚ようこローリー寺西、犬神サーカス、MIEといった人たち、またシーザーも寺山の長歌に曲をつけた絶唱、ほか演劇実験室◎万有引力の俳優群を交えたオペラ「怪人フー・マンチュー」ダイジェスト版?のようなほぼ演劇のようなパフォーマンス入りのものなど盛りだくさんであった。

で、シーザーが寺山の長歌「眼球うらがへる病」を歌った時に、譜面台から歌稿を投げ捨てるのだが、欲しい人にあげますというので手を挙げたらワタクシのところにまわってきた。冒頭1枚目である。シーザー専用原稿に鉛筆による直筆。
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以下、例によって興味ある新刊書。

三島由紀夫の言葉 人間の性 (新潮新書)

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三島由紀夫が生きた時代 楯の会と森田必勝

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漢文入門 (ちくま学芸文庫)

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箱根富士屋ホテル物語 (小学館文庫)

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集合住宅30講

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保守的自由主義の可能性―知性史からのアプローチ―

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学術書を書く

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帝国議会 〈戦前民主主義〉の五七年 (講談社選書メチエ)

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