2週間経過してからでないとここに記さない、というような自主ルールでやってきたけれども、というのもやはり遠隔とはいえ学校仕事があるからで。しかしまあ書かなければどんどんと記憶も薄れていくばかり。もう夏休みに入ったしということで、ここも再開していこうという次第。
とはいえそうは思ったものの、ではと思ってみても、もう一ヶ月も書いていないと何がいつあって何を買ったのかというのも忘れていってしまうようなところがある。ということで、7月後半からの古書記録をズラズラと列挙していく。
久保田万太郎「雪」(籾山書店)大正2年1月20日初版凾5000円
ソンタグ「書くこと、ロラン・バルトについて」(みすず書房)カバ帯1848円
清浦康子「ゾルガーの哲学・美学とイロニー」(南窓社)カバ3700円
胡蝶本は扶桑目録注文品。見返しに書き込みがあるが、凾も付いてまずまずの状態でこれは安い。胡蝶本もだいぶ揃ってきた。あとの2冊はお勉強用で日本の古本屋で注文したもの。
お次は7月31日、初校ゲラを真っ赤にしたものを神保町の出版社に持ち込んで、その後、古書会館の我楽多展初日に向かう。熱を測り入場。会場内は出展店舗も少なくのんびりと会場を見る感じ。
吉村昭「少女架刑」(南北社)昭和38年7月15日初版カバ帯1500円
芥川龍之介「或る日の大石内蔵助」(春陽堂)大正10年11月23日5版美500円
「少女架刑」帯付きがこの値段なのは嬉しかった。ただしカバーにはスレ、本体小口が汚れているのだが、帯欠本を持っているので付け替えよう。芥川のヴェストポケット傑作叢書のこれも所持しているが、これはピンピンに綺麗なコンディション。そして、その足で今度は池袋に向かい、三省堂池袋店古本まつりに赴く。こちらも初日なのであった。
田村紀雄「鈴木悦」(リブロポート)カバ帯600円
「名著復刻日本児童文学館」(ほるぷ)200円
「鈴木悦」はちょっと探していた本で安く入手できた。大正期の海外文芸翻訳書とか興味がある人なら必須かと。ほるぷのやつは、復刻版についてる解説書。持っておくとなかなか参考になるときがある。
お次は8月8日、神保町に出て扶桑書房に立ち寄って2冊ばかり。
寿岳文章「本の正坐」(芸艸堂)凾500円
ちらりと立ち寄ってこれだけ。
「螺旋の器」別冊定価1000円
これは古書ではなく、森開社の小野夕馥さんの個人雑誌。コロナ後初は、別冊として刊行。コロナもなんのその、外界とは一線を画したいつもながらに高踏的な内容で読み応えもあるのがすごい。限定300部記番。
で、ようやく今日8月21日、ぐろりや会古書展の初日である。といっても、閉場1時間前に会場到着。熱を測って、入場。
ザッとまわろうとしたが、今日は映画パンフをじっくりと漁ってしまい、本はワンセットのみ。
ラドクリフ・ホール「さびしさの泉」(新潮社)上巻昭和27年8月20日
「さびしさの泉」(新潮社)下巻昭和27年9月30日上下揃い2200円
「さびしさの泉」ようやく入手。三島や乱歩も言及していた小説で、もう10年以上探していた。いや、たまに見かけるのだがいつも3〜4千円していたのでもっと安くとケチケチしていたのである。女子同性愛の小説。こういう系統であれば、「ラ・ガルソンヌ」とかもあるけれども、昭和20年代後半には珍しかったのであろうなあと。
映画チラシ「さらば箱舟」昭和59年100円
演劇パンフ「青ひげ公の城」(西武劇場)昭和54年300円
「青ひげ公の城」が300円は安すぎる。実は前に買って持っているのだが安すぎると購入してしまった。ちらし、台本も持っている。ちょうどアングラ演劇が西武劇場でファッション化していく頃のものだよなあと。同じく西武劇場でやった寺山の「中国の不思議な役人」には山口小夜子も出ているし。渋谷で西武カルチャーが発信されていった初期のものといえるかもしれない。
映画パンフ「美女と野獣」昭和24年200円
映画パンフ「オルフェ」昭和26年500円、同異種200円
映画パンフ「道」200円
映画パンフ「ルードウィヒ神々の黄昏」昭和56年200円
こちらは戦後のコクトーなどを買ってみたもの。「オルフェ」は2種類ある。どちらも昭和26年のもの。まだ占領下だよなあ。