いろいろな原稿の締め切り、講演資料の練り直しやら採点やらなにやら、1月最終週あたりから2月の頭までいろいろとタイミング悪く忙殺。古書展も、五反田やらなにやら行き逃し、窓展と池袋リブロくらいしか赴いていない。ただまあ、なんやかんやでコンスタントには古書を買っている。
四方田犬彦「叙事詩の権能」(哲学書房)カバ帯献呈署名100円
これは古書展に間に合わず、扶桑事務所を覗いて買ったもの。鏡花論のやつはいつか安くと思っていたので良かった。四方田のには三島論収録のため。
そういえば、地元駅前のショッピングモールの一角でいくつかの古本屋が集まって古本ワゴンをやっていたので、それも見てみる。これというのはないのだが、映画パンフがちょっと面白かった。
図録「岡崎京子 戦場のガールズライフ」カバ帯500円
三島由紀夫「初版本完全復刻版・仮面の告白」(河出書房新社)凾帯300円
竹内道敬・如月青子「邦楽・邦舞」(岩波セミナーブックス)カバ帯200円
こんなものを棚からつまみ出し、お会計後に見てなかった棚を発見、何気なく映画パンフの凾を漁ると、60年代くらいからのパンフがあって、1冊200円ならいいかと見て行くと、ちょっと拾いものかなというのもあり。
「アフリカ物語」パンフ200円
「サスペリア2」パンフ200円
「女は女である」パンフ200円
「アフリカ物語」は寺山修司原案の映画というので一応買っておく。また「サスペリア2」は新しい「サスペリア」をちょうど見に行ったばかりだったので。2などといっているが、本当は「サスペリア」より前のプロフォンド・ロッソという映画なのは有名な話。それから、これはちょっと掘り出し物かなあというのがゴダールの「女は女である」パンフ、封切り時のものであろう。タイトルロゴが東映映画のようだ(笑)。
そして三省堂池袋古本まつり。
注文品はない。しかも会場に着いたのは初日の19時頃。初日以後は行ってもなあと向かったのであった。で、幾つか購入。
野崎歓編「文学と映画のあいだ」(東京大学出版会)カバ帯350円
「新劇」1979年12月号200円
「ページと力」は前々から欲しかったもの。「新劇」はマンディアルグが来日講演したときのもので、マンディアルグの講演に、澁澤龍彦や生田耕作、中井英夫が寄稿。寺山の戯曲も掲載。
それから、むろん注文はしなかったが、目録にちょっと珍しいものがあったので掲載してく。「血と薔薇」創刊の宣伝マッチ。これ、澁澤龍彦展でしか見たことがなかった。売れたのだろうか。
で、帰宅してみると扶桑書房目録で注文した品が届いていた。
広津柳浪「五枚姿絵」(春陽堂)明治25年4月15日初版背痛4000円
柳浪初期の時代小説。中国小説の翻案的作品。口絵木版画は永洗。
で、そんなこんなでけっこう出費が嵩んでいるのにもかかわらず、窓展には朝イチで駆けつける。これはもう致し方ない。開場15分くらい前に着いて、ゆっくりと入場。ザーッと見て行きながら、お昼前に会計。
南雄三「硝子張りの中の人」(東京堂)大正13年3月10日55版裸300円
宇野浩二「文芸草子」(竹村書房)昭和10年11月20日初版裸300円
日夏耿之介「日本芸術学の話」(新樹社)昭和32年10月15日再版凾300円
「硝子張り」は実はお安く探していた本。八千代生命、帝国火災、東邦火災の経営者・小原達明の評伝なのだが、水島爾保布装幀。爾保布装ということで探していた。あんまりらしくないテイスト。
福田恆存著作集8「一度は考へておくべき事」(新潮社)昭和32年9月30日初版凾欠献呈署名500円
文部省「あたらしい憲法のはなし」昭和22年8月2日翻刻発行背補修100円
福田恆存のは西尾実宛献呈署名。1冊くらい持っておくかなと。「あたらしい憲法のはなし」はよく教科書などで見る戦争放棄の図が入っている。占領下資料として。しかし「翻刻発行」ってどういう意味なのだろうか。
「映画評論」1974年12月号200円
「砂の女」映画パンフ(みゆき座)500円
「砂の女」パンフはちょっと高かったけれども、まあ、と。
で、お会計後に古書仲間と一緒に昼食に出て、マル香でうどんを食べ、ミロンガで一服し、やおら田村書店の外ワゴンを覗いて見ると、おおっというのがあり、購入。小栗風葉「青春(夏)」の初版で口絵も綺麗に残っているのが1600円。
その後、まっすぐに帰途。寝てから仕事に取りかかるのであった。