漁書日誌 3.0

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2月の窓展

さて、来週のぐろりや会古書展は中止となったという。では窓展はというと中止のアナウンスもなし、これはやるなということで、当日開場前に古書会館へ向かう。開場、あきつ書店の棚に向かう。一通り見てから、会場を回っていく。今回は、かわほり堂、魚山堂がお休みのようで棚はなかった。ひと回りしてからお昼。昼食後、田村書店を見にいくと、2月1〜10日はお休みだという張り紙が。

で、戻ってから改めて見て周りリバース本などを抱え、吟味してからお会計。

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松岡譲「漱石先生」(岩波書店昭和9年11月20日初版カバ700円

徳永直「光をかかぐる人々」(河出書房)昭和19年3月5日2刷カバ400円

漱石先生」は表紙に作家の写真を使っているので購入。「光をかかぐる人々」は前にも買ったが、今回のが断然状態が良いので。

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斎藤弔花「弔花小品(隆文館:小品叢書)明治42年7月25日カバ欠500円

「潤一郎傑作全集」第3巻(春陽堂大正13年10月15日8版函欠200円

矢野峰人「去年の雪」(大雅新書)昭和30年4月5日初版カバ帯献呈署名200円

野尻草雄「一高ロマンス」(大仏出版)昭和54年12月20日復刻初版200円

紅野謙介「書物の近代」(ちくま学芸文庫)カバ200円

「潤一郎傑作全集」はクロス装の後版。矢野峰人のは前回も買ったが今回も残っていたので購入。これは朝日の嘉治隆一宛。「一高ロマンス」という本は全く未知の本だが、内容が面白そうなので購入。遺族が復刻版を出したもののようである。元版は東亜堂書店、大正6年7月刊行で「学生生活叢書」の第1編。調べてみるとこの叢書、10冊以上出ているようである。どれも興味深い。「書物の近代」は所持本にコーヒーをこぼしてしまったので。

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久保天随編「文士奇譚」(「秀才文壇」臨時増刊)明治38年4月20日再版400円

早稲田文学」開花期明治文学(昭和2年4月)200円

尾形国治編「「女性」総目次」(雑誌研究会)昭和57年12月3日300円

「文士奇譚」は日本の作家伝みたいなものだが、作家の権威形成にどう関わり合ってくるかなという興味で購入。「早稲田文学」は昭和初期に出た一連の明治文学特集のうちの一冊。復刻版も出ていてバラでポツポツ買って読んでいる。総目次は復刻版が出る前のもので早稲田の雑誌研究会で作ったもののようだ。

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岸田理生編「寺山修司全映画」(人力飛行機舎)昭和51年6月14日たとう汚痛300円

これは初めてみる資料だった。「寺山修司実験映画カタログ」というタイトルの黒表紙の横長(または縦長)のものがあるが、あれの元版のようである。元版はA4版のたとうに無綴の紙片が12枚収められている。今では改題?されて使われていないタイトルのものもあり面白い。いちいち凝ったつくりだが惜しいことにたとうが汚れ傷んでいる。

大した収穫はなかったが、これでも使いすぎかと思った次第であった。論文用の資料でどうしても入り用で、某作家の手沢書き入れ本を購入してしまったからだ。