漁書日誌 3.0

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リブロ池袋夏の古本まつり+目録

早い者勝ちの某書店の古書目録が来たという情報を昼過ぎにキャッチ、ということはウチにもということですぐさまポストを確認すると、来ていた。二点注文(これは届いたらまたここで紹介します)。

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池袋に向かう、午後16時過ぎ。
西武池袋の中にあるイルムス館の二階。
池袋リブロの古書展である。

注文品は一点。
鈴木三重三「朝寝髪」(春陽堂)初版凾8000円、当たり。
昭和2年7月15日発行。

初版、といえども後版の昭和版である。それでも、凾、表紙、見返しは多色刷り木版、そして本文中にも色あでやかな多色木版挿画十葉あり。

当たったのはよかったが、冒頭に記した出費もあり、なかなか懐に痛いものだ。
とはいいつつ、会場を漁る。
会場、黒っぽい本が棚に多いところもあるのに、人が全然いないなあというところあり、本の値段見て納得、人がいないところは全体的に高いのだ。まあねえ。
で、まあ、こんなものを買った。

木本至「雑誌で読む戦後史」(新潮選書)315円。
ルース・エヴァンズ「世界の前衛演劇」(荒竹出版)500円
萩原朔美「演劇実験室天井桟敷の人々」(フレーベル館)1000円

「雑誌でよむ…」はまあ資料としてよいかな、と。雑誌別の紹介のような本だが、結構マイナー誌も出ているし。それから「世界の前衛演劇」。これは実は未だにソレ系では基本文献であると思う。卒論で使うんで探して、図書館にはあったけれども手元に置きたくて、探して探して何とか高円寺の古書展で買ったのがカバーもボロボロの確か4000円もしたのを買ったように思う。当時は全然みかけなくて、しかも、まあリヴィングシアターとか太陽劇団とかはまだしもだけれども、オフロープコフとかパニック劇場とかについて詳しく書いてる文献など他に知らずかなり重宝したなあ、という記憶がある。利光哲夫「反=演劇の回路」なんかも随分読んだけど。それから萩原朔美の本は、以前から出ているのは知っていたけれども、これは何故か古書でいつも安く出ていて、それならいつか千円以下で探して買うぞなどと思っていたら忘れており、先日天井桟敷のドキュメンタリーを見たので思い出してという側面もある。というか、いまポロポロ読んでいたらもう読了してしまった。

で、ほかには文庫本。

渡辺保女形の運命」(岩波現代文庫)420円
川端康成「小説の研究」(講談社学術文庫)157円
芥川文「追想 芥川龍之介」(中公文庫)210円
犬養道子「花々と星々と」(中公文庫)210円
マン「ドイツとドイツ人」(岩波文庫)157円

まあいつもの如くお勉強用という感じで。やたら中公文庫と岩波新書が多かった棚があった。ホントは中公新書で探しているのがあるのだが。ここいらへんはあったら買うというスタンスである。

でまあ、その後あわただしく渋谷へ移動し、シネマヴェーラ渋谷にて、内田吐夢監督の「恋や恋なすや恋」(1962)と「妖刀物語 吉原百人斬り」(1960)を観た。橋蔵、千恵蔵主演の。後者は、最後に女に捨てられた千恵蔵が花魁道中最中の女を中心に無差別殺人を繰り広げるというラスト。全然違うけれど、このラスト、若松孝二の「餌食」なんかを思い出した。