漁書日誌 3.0

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初版本+古書+まど展

おとついだったか、いつもはたいしてめくりもしない某古書店の目録、チラチラ近代文学の所を見ていたら、何故か佐藤春夫がズラリと出ていて、そこに、「病める薔薇」重版凾付3670円というのがあった。おお、重版とはいえ凾付きは欲しい! ということで早速ファクスで注文入れたのが昨日。で、本日もう届いた。嬉しいな、これは。

函および扉には「第五版」と明記してあるのに、奥付には「大正9年4月20日四版」とある。ムムム。いやしかし、復刻版でこういう函というのはわかっていたが、実物はやはりよい。他にも大正期の小説集が幾つかあったのだが、皆裸本だったので注文はしなかった。裸ならねえ、未だに千円台で転がっているし。「窓展く」とか。「病める薔薇」は千円台じゃないけれども。

で、一緒に届いていたのが、愛書会の目録と、そしてこれ。

「初版本」第三号、人魚書房、2008年6月30日発行、限定300部
やはり、書影がカラーというのはよい。予約者のみの頒布なので、なかなかお目にかかれないかもしれないが、既に国会図書館には創刊号が入っていて閲覧出来るようだ。
で、内容はこんな感じ。

書物・古書関係雑誌というのは、ここ十年くらいでバッと増えた感があるけれども、一般性を考慮せず、好きなだけ己の道を突き進んでいるこういう贅沢な雑誌は随一なのではないかと思う。

さて、本日はまど展。
注文品はなし。その上、閉場十五分前に開場到着といういつものズボラさ。まあ、ザーッとまわっただけで終わりという感じだったが、もうちょっとかわほり堂の棚はじっくりみたかった。結局ここで、購入したのは、改造社版「谷崎潤一郎全集」の月報バラ5部500円、「スタンダール全集5」400円、雑誌「あまとりあ」昭和20年代末の4冊各100円。
改造社の「谷崎潤一郎全集」、あの背とコーネルが深紅の革装のアレである。本自体はたまにみかけるのだが、何故か月報はあんまり見ない。私が以前高円寺の古書展で、五千円前後で凾付きを全巻購入した時も挟まっておらず、この全集の月報の存在を知ったのは、それから後であった。でもたった五部じゃねえ……。スタンダール全集は、単に「アルマンス」が読みたいがため。新潮の世界文学全集だったかにも入っていた筈だが、あちらとは訳者が違うと思う。で、「あまとりあ」は、もう六時を五分くらい過ぎていて、ただし帳場が混んでいるそのすきに見つけたもの。いちいち目次を確認している暇もなく一冊100円だったので、まあいいかとそこにあった四冊をレジに差し出したが、後でよくよく見ると、欲しい関係記事は全然載って居らず。まあ坂ノ上言夫の文章とか入っていたのでまあアレだが…。
で、その後、久々に書肆ひぐらしに立ち寄り、雑誌「劇作」の三島が参加している座談会「既成劇作家を語る」掲載号を200円。それから、新刊書店の東京堂に立ち寄り、新刊書やサイン本をチェック。ここで購入した新刊書が、川合道雄「戦時下の博文館と『新青年』編集部」(近代文芸社)である。

ちょろっと中を見てみたら、初出は「『新青年』趣味」のインタビューで、それの加筆訂正版のようだ。奥付には5月1日とあるが、こんなの出ていたの全く知らなかった。
で、その後モールに立ち寄り、ちょっと探していた高橋克彦「新聞錦絵の世界」(角川文庫ソフィア)200円を購入。ちょうど、財布の中にモール金券200円分があったのでそれで。

いやあ、しかしやっぱり「病める薔薇」凾付がうれしかったかも。