漁書日誌 3.0

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城南展+川崎長太郎の新刊限定本

昨日金曜日の午後、所用で吉祥寺に赴いたら雪が降ってきたので驚いた。季節柄珍しくもないのだろうが、出発時は晴天だったので。でまあ、帰りにちょっとだけであったが久々に荻窪駅で途中下車してささま書店に立ち寄る。
そして今日、城南展古書展。今日はちゃんと10分前に到着して入れてもらえました。が、ただの1冊も買うもの無し。扶桑に立ち寄ったあとに、古書モールへ行ってチラッと買ったのみ。

ジャンケレヴィッチ「還らぬ時と郷愁」(国文社)カバ3675円
渡辺保「能のドラマツルギー」(角川ソフィア文庫)カバ210円
村上勝三「デカルト形而上学の成立」(講談社学術文庫)カバ帯500円
福田恆存「私の国語教室」(文春文庫)カバ帯300円
泉鏡花「鏡花集4」(春陽堂)凾欠重版500円
泉鏡花「鏡花集5」(春陽堂)凾欠初版500円
うえから二冊がささまで昨日買ったもの。実は文庫を7〜8冊抱えていたのだが、ここのところ探していた「還らぬ時と郷愁」を見つけてしまったのでまた棚に戻してしまった。それからモールでは「鏡花集」を。あの紺色の縮刷本である。500円で凾も付いていたらなあ、凾欠なら300円かなあ、というのはもう今時はないか。しかしこの5巻のみ初版(大正7年9月28日発行)。この縮刷版、だいたい明治末に出ていたのに何故この5巻だけが大正7年で初版なのかというと、この5巻は「鏡花双紙」をそのまま改版して鏡花集5巻とした旨、巻末に注記があった。「鏡花双紙」ってあの総革装の袖珍本である。まあ当時としてはこういう縮刷が文庫本代わりだろうし時々の単行本だけではなく、縮刷は重版を重ねて懐を暖めていたのだろうなあなどと想像する。
それから扶桑で川崎長太郎の本を入手したので以下に紹介したい。
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姫の水の記 (叢書crystal cage)

姫の水の記 (叢書crystal cage)

川崎長太郎「姫の水の記」Tokyo Publishing house〈叢書crystal cage〉2014年3月2日初版第1刷170部刊行。定価3333円+税


川崎長太郎の、戦前の単行本未収録随筆のみ集めたもので、小田原や伊豆など土地にまつわるものだけをセレクトしたもの(編:平出隆+斎藤秀昭)。角背上製本布装に、パラフィン帯、図柄の印刷されたトンネル型透明凾というこの叢書シリーズ通しての独特の装幀となっている。本文2色刷り(本文黒、ノンブルと柱がライトブルー)。カラー、モノクロの図版も入っている。瀟洒でなかなか贅沢な作りである。
この〈叢書crystal cage〉といういやつは、前に「崇高はいま」というのを買っていて、これで二冊目であった。限定部数からいって、早々になくなるのではないかと思う。