漁書日誌 3.0

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趣味展

9時36分。既に古書会館前には行列。まあもう後ろの方であるならちょっとくらい変わらないやと列を脱けだし喫煙所で一服。そして10時開場。趣味展初日である。注文品はなく、全て会場で購入したもの。まずはこれ。

中里介山大菩薩峠 第一冊」(春秋社)大正10年7月21日4版凾欠背少痛300円
中里介山大菩薩峠 第二冊」(春秋社)大正10年8月5日3版凾欠300円
中里介山大菩薩峠 第四冊」(春秋社)大正10年12月1日4版凾欠300円
大菩薩峠」バラだけれどもまあこの値段ならと。せめて四ではなく三であればなあ。この版は初めて見たもの。後の縮刷や和綴のものは見たことがあったのだが。この洋装版には他に天金の特装があるようだ。第四冊には二葉、他は三葉の多色刷木版挿画が入っている。

吉屋信子花物語I」(洛陽堂)大正9年10月20日9版凾欠1200円
国木田独歩「欺かざるの記」(国民教育普及会)大正12年7月5日再版凾欠200円
「『どりこの』とはどんなものか?」(大日本雄弁会講談社昭和6年6月1日発行300円
蓮田善明「花のひもとき」(河出書房)昭和19年10月20日初版カバ300円
花物語」は重版によってあれこれ変わるようだがこれは黄色クロス装。しかしまあ興味深いのが「どりこの」宣伝冊子。ちょっと前にどりこのについての本が出たのは知っていたが未読。巌谷小波村上浪六、佐々木味津蔵、山中峯太郎らのどりこの推薦文あり。ほかにトラホーム治療器の内田式水圧療眼器、眼薬パミール、悪阻薬タトール、キングレコード、報知新聞の広告もありで64頁。

「雄弁」大正5年1月号400円
「平凡」昭和31年6月号背痛800円
お次は雑誌。「雄弁」は、たまたま目次を見ていたら矢野葩瘦「鏡花好きになるまで」という小説が掲載されており、これはムムムと購入。得体の知れないもんだが面白そうだ。それから「平凡」は「太陽の季節」特集がお目当て。各種記事や慎太郎座談会など。ブームを考えるための資料。

「討論 三島由紀夫vs.東大全共闘」(新潮社)初カバ帯400円
石川輝吉「カント信じるための哲学」(NHKブックス)カバ帯300円
タナー「姦通の文学」(朝日出版社)カバ帯1500円
田村景子「三島由紀夫能楽」(勉誠出版)カバ帯2100円
三島由紀夫能楽」のみ別にネット古書店に注文していたもの。しかしゲルピンの癖にまたあれこれと散財してしまった。

伝説の「どりこの」 一本の飲み物が日本人を熱狂させた

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