漁書日誌 3.0

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趣味展のあとに雪岱

朝方読書をしていて、明日は昼過ぎに起きてから赤坂の雪岱展と表参道の芳年展と銀座の横尾と大道それから恵比寿の操上和美展をザーッとまわろうかな、などと思っていた。が、金曜は趣味展であった。今から寝たらアレだしそうか仕方ないということで、そのまま一睡もせずにお風呂に入って出かける仕度をし、出発。9時40分頃古書会館前に到着すると既に40人くらい列んでいる。ということで、趣味展。注文品は無し。


島村抱月・後藤宙外・伊原青々園「風雲集」(春陽堂)明治33年4月28日800円
幸田露伴「天うつ浪(第一)」(春陽堂明治41年1月15日7版カバ欠800円
永井荷風「墨東綺譚」(岩波書店昭和12年8月10日初版凾欠2000円
「天うつ浪」は扶桑ではない棚で。重版で本来は四冊揃だがそのうちの一巻目のみであるけれども木版口絵も綺麗に残っており満足。木版口絵は梶田半古。しかし見返しの印刷絵は鰭崎英朋。装幀や奥付の意匠も英朋だろうか。悪いが露伴はどうにも興味が持てず、とはいえまあ「天うつ浪」くらいは結局未完だし一巻目だけでいいから所持していたいと思っていたからちょうどいい。それから「風雲集」だが、これは異装なのか? 普通は背革で表紙平に意匠があるのだけれども、これは背が緑クロースの継表紙で平に意匠がない。普通は背革に独特の活字金箔捺なのだがこちらは太い明朝体。所有者が製本し直したという線も考えられるが、どう見ても箔押しの活字が当時のモノにしか見えない…異装かどうか不明(日本の古本屋には異装が出ている)。

「自選 佐藤春夫全集1」(河出書房)昭和31年10月1日限定1500部記番毛筆署名凾月報400円
芹澤〓介の装幀。ピンピンのコンディションで署名入りでこの値段はないわ。まあサイン代というとこか。この第1巻は詩集(1)で堀口大学が解説を執筆。全10巻らしくこの1巻のみに署名が入っていた模様。この他に、鴎外「意地」(籾山書店)カバ欠400円とか鏡花「風流線」重版「続風流線」初版裸痛口絵欠各2000円など逡巡したが、結局棚に戻してしまった。
あとは文庫関係など。

ウィトゲンシュタイン論理哲学論考」(ちくま学芸文庫)300円
バタイユ「目玉の話/マダム・エドワルダ」(光文社古典新訳文庫)200円
坪内祐三編「福田恆存文芸論集」(講談社学芸文庫)200円
山口勝弘「パフォーマンス原論」(朝日出版社週刊本41)200円
ちくま学芸や講談社文芸が安いのは嬉しい。それからお次が、古書会館を後にしてから立ち寄ったモールでの購入品やらネットで買ったものやら先週の愛書会のものやら。

メッツ「映画と精神分析」(白水叢書)カバ2200円
バーマン「ニュー・クリティシズムから脱構築へ」(未来社ポイエーシス叢書)カバ帯1737円
佐藤康邦「絵画空間の哲学」(三元社)カバ帯800円
その後神保町から半蔵門線永田町駅下車。今回は小村雪岱展をみるためにホテル・ニューオータニにあるニューオータニ美術館へ。

小村雪岱展。雪岱装幀本がズラリ。前にやった埼玉県立美術館でのとはまたちょっと違う感じ。図録は一部1800円。ショップではこの他、雪岱Tシャツなんかも売っていた。この他には、先日埼玉県立美術館での日本の1970年代展やらシャネル新宿店での森山大道Mesh展などここ一週間以内にまわっている。ああしかし、本来他に芳年だの横尾だのまわろうと思っていた展覧会ではあるのだが、まあ体力が続かなかった。