漁書日誌 3.0

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趣味展+洞口依子映画祭

趣味展初日。注文品は一点。本当は、「十八時の音楽浴」再版とかそういうのもありだなあと思っていたが自重。文学堂が目録に出していた泉鏡花高野聖」初版並少汚本27000円というのはスゴイが、おそらく注文殺到だろうしはなから注文する気もなかった。
今日は久々に早めに来て、じっくりと棚を漁った。といっても、新書一冊以外は全てひとつのお店の棚から買ったものである。

荒俣宏「理科系の文学誌」(工作舎)カバ帯1200円
沢豊彦近松秋江私論」(紙鳶社)カバ500円
小山内薫「東京の消印」(創元社:百花文庫)昭和24年2月15日初版300円
臼田捷治「装幀列伝」(平凡社新書)400円
「東京の消印」は欲しかったものだが、あとはついでのようなものだ。ついでにしては、ちょっと高いかなあとも思う。新書は100円で欲しかったし、荒俣のも千円で欲しかったなあ、と。

久保田万太郎「浅草」(籾山書店)明治45年2月25日初版凾欠印4000円
雑誌「三田文学」(明治44年10月秋季特別号)背痛1800円
胡蝶本が今回目録注文したもの。印があるが、コンディションはまあまあである。著者の最初の単行本で、荷風による跋文あり。そして、お次が今回ちょっとみっけものであった品。「三田文学」である。今回、「三田文学」「白樺」がズラリとけっこうな数があり、いいところはすべて1800円、痛んでいるものなどは1000円などといった感じであった。
で、この「三田文学」は、谷崎潤一郎「飆風」(「ひょう」の字はこの字ではないが取り敢えず)掲載号である。本号は、「飆風」によって発売禁止。こういうのが初日夕方まで残っているのだからラッキーだった。いつもならば、こういうのに1800円など出して買わないのだが、これは特別だろう。夏前に、今出ている「三田文学」連載の「三田文学の歴史」を読んでいたので感慨深い。
で、その後、東京堂に立ち寄ったら、次のようなものがサイン本コーナーにあったので購入。

「spin06」宇崎純一の優しき世界 執筆者全員署名入
スミカズのカラー図版、モノクロ図版が多く入り、参考文献目録があるので、スミカズ目的で購入。でもspinて定価こんなにしたっけか、と思う。カラーだしそれで今回割高なのだろうか。
一服したあと、渋谷へ。
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シネマヴェーラ渋谷にて開催されている洞口依子映画祭に赴く。金欠でまったくこれなかったが、「ドレミファ娘の血は騒ぐ」(黒沢清監督、1985)をスクリーンで見たことはなかったし、ということで来たのである。が、ギリギリに会場に到着してみると、なにかいつもと様子が異なる。今日は上映後に、篠山紀信撮影の写真をデジタル処理して動画と組み合わせたようなやつを特別上映していたのだが、最終日ということで、ロビーにて洞口依子氏本人がワインを振る舞うというのがあった。おお。篠山紀信氏も来ていた。今日配布された映画祭のパンフレットにサインを入れて貰えばよかった。ワインを飲んで、つまみのピクルスを喰い、そのまま帰る。しかし上映フィルムは、巻のはじまった最初のところだけだけれども雨の降っているように傷だらけであった。この映画4巻か5巻あると思うのだが。
そして明日は山中湖の三島由紀夫文学館でのレイクサロンに参加。