漁書日誌 3.0

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散財一過

この週末は、神保町でのぐろりや展、五反田での散歩展と続いた。金曜日、ちょいと所用があって神保町へ出る。そのままぐろりや展の会場へ。ザーッと見て行くが、結局買ったのは文庫1冊に雑誌1冊。
柄谷行人「言葉と悲劇」(講談社学術文庫)カバ200円
「WAVE」4:マシナリー・イマジネイション220円
「言葉と悲劇」なんか持っていた筈なのだが。ウェーブはちょっと読んでおきたかった号。このあと田村書店に立ち寄って、先週入ったばかりで目を付けていた単行本「フィクションとは何か」を購入してから、今度は神保町駅から都営三田線に載って三田乗り換えで五反田へ向かう。五反田散歩展。いつものように黒っぽい感じ。文庫も安い。急ぎ目に見て行ってガレージで新書1冊文庫1冊、2階の会場で文庫1冊雑誌1冊。

荒俣宏選「異彩天才伝」(福武文庫)カバ200円
戸板康二「劇場の青春」(河出新書)昭和30年11月15日カバ200円
ロンブロオゾオ辻潤訳「天才論」(改造文庫)重版200円
乱歩編集「宝石」昭和33年10月号、200円
欲しいものが他にもあったが、グッと我慢の子。改造文庫の「天才論」は持っていたと思ったが、安かったので予備に。奥付を見ると22版。けっこうな重版である。こんなの、そこまで売れたのか。
その後、ツイッタを見ていたら、新刊の帷子耀詩集に署名入のものを早稲田の古本屋さんが店内で売っているというのを見つけたので、駅前のエクセルシオールで一服しながらこのまま買いに行くかと思ってしまったのであった。版元直接注文にも署名入が入っていたそうだが、もし署名本がごく少なく売り切れてしまったらどうしようと、五反田から早稲田へと向かう。大隈講堂の裏の方の古本屋だが、閉店は20時、駅から地上に出ると既に19時50分。急いで古本屋へ向かい、無事帷子耀の本を購入。そこへちょうど雨が降ってきたので、今度はモスに立ち寄り一服して雨がやんでから帰途。

ウォルトン「フィクションとは何か」(名古屋大学出版会)6000円
帷子耀習作集成」(思潮社)新刊著者署名落款入定価
それからついでに、この週に買った本なども。
ヘガティ「ノイズ/ミュージック」(みすず書房)定価
松本徹「三島由紀夫の思想」(鼎書房)献呈
同人誌「文学+」1号、1200円
ノイズのは必要あって古書でケチケチ探したがどうしてもなく、仕方なく定価で購入。高い。「三島由紀夫の思想」は献呈していただいたもの、感謝です。「文学+」は年下の友人である浜崎洋介君参加の座談会が掲載、前々から話を聞いていたので購入。
で、帷子耀である。



カバーを取ると表紙をくり抜いたようなタイトル。三方藤色染。背もアルファベットの著者名くり抜き。花切れの強烈な印象。「スタジアムのために」は結局入手叶わなかったが、60年代末期から70年代初頭の「現代詩手帖」バックナンバーをちょろちょろ買ってはいた。塚本邦雄なんか大絶賛していた詩人だが、突如筆を折ったらしい。その後、四方田犬彦の文章であれこれと知った。そんなときに満を持しての本書である。普段新刊で詩集なんて全く買わないのだが、まあこれは持ってないとなあと行ってしまったわけであった。いやしかし、本自体既にオブジェ。こういうのは持っていないと意味が無い。
……しかし、そして、買いすぎだ、もう今月はゲルピンでどうしようもないなあというところに扶桑書房目録速報が届くという天獄的なタイミングで、どうせ土曜日のブックフェスティバルには学会で行けないので、行ったレということでおそるおそる2冊注文するとすぐに届いた。今回は胡蝶本が10冊近く出ていたような印象。なんとはなしに集めている胡蝶本の持っていないところを注文したのであった。

泉鏡花「三味線堀」(籾山書店)明治44年1月1日初版凾欠5000円
長田幹彦「尼僧」(籾山書店)大正元年12月10日初版凾欠4500円
懐的に本当にきついなあというところである。