漁書日誌 3.0

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もう2月

1月の末から2月初頭にかけてはいろいろと仕事が立て込んでいる。気がつくとあっと言う間に1週間が経過している。すべてにぐったりしている。それでも古書展には赴く。なにしろ気分転換になる。

ということで、先週は和洋会古書展には行けなかったが五反田遊古会には行った。そのことから。というよりは家を出る時間が遅くどちらかの会場ひとつしか回れないとなって五反田を選んだのである。

で、まずは1階のガレージを。雑誌「玻璃」が2冊あった。安い。あれ、これ、前回手に取ってみたがその時は諦めて棚に戻したな、というのを思い出した。たしかあの時は千円。それが200円になっている。すごい値下げ率。しかし探してみたが創刊号はない。取り敢えず購入して、入口入ったところで荷物をあずける。ふと振り向くと。公衆電話のしたあたりに見覚えのある冊子が。手に取って見ると200円、よし購入と抱えて、そのまま2階へ。残り15分。ザーッと回って1冊のみ。そして時間切れ。

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「玻璃」2号、3号、各200円

関川左木夫が発行人の雑誌で、限定300部、すべて和紙(本文は耳付き和紙アンカット)を使用、表紙には銅版画貼付、巻頭口絵も木版画が貼付してあるという凝った造本。3号には本来アンカットの頁を切らなくても読めるように別に洋紙刷り本が付属していたというが今回の本は欠。矢野峰人南條竹則ら寄稿。創刊号、日本の古本屋で検索して別途注文してしまった。

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佐々木桔梗「五行山荘限定版書目細見」(プレス・ビブリオマーヌ)昭和54年6月帯200円

室生犀星「印刷庭苑」(竹村書房)昭和11年6月15日初版凾欠500円

佐々木桔梗のこれ、前々から安ければとケチケチ買わなかったが、とうとう200円まで下がるとは。正に隔世の感。それから犀星のこれも前から欲しかった本。凾は表紙とほぼ同意匠。中身は近作エッセイ集だが、この明治期の実用書のような表紙が前々から気になっていた。

で、今週。

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小栗風葉「心中くらべ」(春陽堂明治35年7月11日初版口絵欠3000円

ワイリー・サイファー「ルネサンス様式の四段階」(河出書房新社)昭和51年7月30日初凾1000円

週明けとつぜん舞い込んできた扶桑書房目録速報から注文したのが、風葉。今回は風葉の「美丈夫」とか、けっこう珍しいところがズラッと出ていた。欲しい本はあるけれども、金もないし、これだけ。それからサイファーは非常勤先のある商店街の古本屋にて。

そして金曜。

我楽多展である。非常勤先で卒制面接をやり。その帰りギリギリ滑り込めるかと神保町に向かったらラスト8分くらい見ることが出来た。

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室生犀星「蒼白き巣窟」(冬樹社)昭和52年5月15日凾帯200円

小池清治「現代日本語文法入門」(ちくま学芸文庫)カバ帯200円

加賀野井秀一「メルロ・ポンティ挑発する思想」(白水社)カバ500円

佐々木敦「「批評」とは何か?」(メディア総合研究所)カバ300円

犀星のは、御存知生原稿から伏字復元した復刻版のような本。とうに所持していたのだが、最近なぜかこの本にネコがゲロしたので買い換え。そして古書展のあと、18時過ぎにまだ開いている店はと澤口書店を覗いたら、探求書がドンピシャにあって思わず購入。それから東京堂へ行き今月号の「ユリイカ」購入。なかなかの出費になってしまった。

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ルノート・ベーメ「雰囲気の美学」(晃洋書房)カバ帯2500円

ユリイカ」(2020.3)特集・書体の世界、定価購入

翌日も凝りもせずに我楽多展を5分ほど覗き、寿岳文章の本を1冊。それから今度は田村書店の外ワゴンを見て、そこから2冊。

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寿岳文章「書物の世界」(出版ニュース社)カバ300円

秋田雨雀「幻影と夜曲」(新陽堂)大正3年9月1日3版裸700円

坪内逍遙「役の行者」(玄文社)大正6年5月5日初版凾欠300円

このなかでは実は「幻影と夜曲」が前々からの探求書であった。おそらくもともとはカバー装だと思うのだが、どんなデザインだったのか。というのも、この本は本間国雄が章題扉など描いていて、カバーも本間によるものだろうと思っているからだ(未見)。

というか、かなり散財しているな。ストレスのあらわれか。