漁書日誌 3.0

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窓展+五反田アートブックバザール

窓展初日である。9時45分頃会場到着。ズラリと並んでいる。どうせまあ後ろの方だし今更焦っても仕方あるまいと喫煙所で列を横目に一服して最後尾に。だがこの3分間くらいで10人くらい増えた模様。そして10時開場。あきつの棚をメインに。ただしこれという拾いものはなく、会場全体を見て回る。で、結局買ったのは以下。

上司小剣「東京 第二部労働篇」(大鐙閣)大正11年10月5日11版凾300円
川端康成「乙女の港」(実業之日本社昭和17年3月23日47版凾欠背焼500円
沼正三「改訂増補限定版 家畜人ヤプー」(都市出版社)凾帯正誤表400円
サルトル「文学とは何か」(人文書院)カバ帯改訳新装版1500円

原克「悪魔の発明と大衆操作」(集英社新書)カバ帯200円
雑誌「伝統演劇」(1958.7)100円
「潤一郎ラビリンスXII 神と人との間」(中公文庫)カバ帯210円
「潤一郎ラビリンス」のみ神保町の後で行った五反田のアートブックバザール会場で買ったもの。今回は、村上芳正装幀・挿画の「家畜人ヤプー」限定版がこれといった痛みや汚れもないのに安かったくらいか(凾のビニルカバーが欠だけど)。限定といっても2000部では多い印象。しかも今回初めて知ったのだが、これ奥付に出版社名もなければ発行年月日も記載してない。編集ミスなんだろうか、これではちょっと、という感じである。日本の古本屋で検索して見たら、これ、特別再版500部なんてのがあるのを知る。それじゃ限定でもなんでもないじゃないという気がする。三島由紀夫の牧羊社から出た「黒蜥蜴」も奥付には初刷1500部などと書いてあるが、ちゃんと再版もある。それを思わせた。「東京」は既に第一部愛欲篇を所持しているので。でもまあ「東京」も、今思えばかさばるし確か円本の「長篇小説全集」で1冊になっているのでそれで買って読めば良かったか。それと「乙女の港」だが、これは中原淳一装幀であるこの元版を欲しかったのだが、やはり凾がないとなあ、と。
それと「伝統演劇」という雑誌は、元々「間」という同人誌を11号目の今回から改題したものという。同人は、堂本正樹、服部幸雄権藤芳一らで、当時名古屋にいた服部幸雄が中心になっていたものか。堂本先生の戯曲「甲賀三郎」と批評座談会収録。大阪の月光会でやったやつである。昭和30年代初頭の新しい演劇の動きはやはり面白い。