漁書日誌 3.0

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巴里前

さて、青展が済み、金欠状態ではあるのだが、それでもネットやら古本屋へ立ち寄ったりなど、結局はポツポツと古書を購入してしまう。ちょっと面白いものも入手できたし、ここのところの収穫を記していこうと思う。まずはネットオークションで落札したこれ。

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扇屋亜夫「白い血の猟人」(妙義出版)昭和32年2月25日初版1000円

岡落葉「明治大正の文士」(古通豆本)平成2年12月25日416円

「白い血の猟人」はずっと探求書だったもの。帯が欠だが仕方ない。昭和30年前後のホモセクシュアル文学関連で、そのうち三島由紀夫からめて書こうと思っている。それから岡落葉は前に「独歩の周辺」を読んで面白かったので、古通豆本で出ているもう1冊をと。独歩の「武蔵野」の装幀をした人で大学館にいた人である。

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三島由紀夫金閣寺」(新潮社)重版カバ帯ビニカバ500円

photographer's gallery press(10号)1200円

これは下北沢の古書店で。仕事帰りに立ち寄ってたまたま入ったら目についたもの。雑誌の方はジョルジュ・:ディディ=ユベルマン特集のため。また「金閣寺」は、ATGで映画化した時の重版。三島没後もとうに文庫になっていたにもかかわらず初刊そのままの重版で出ていたのである。これが興味深い。単行本では何版までいったのか。そういえば大江健三郎ノーベル賞とった時、書店にズラリと大江の著作が並んだが、そのなかに「死者の奢り」元版単行本があって、おおわざわざ単行本重版するのかと思ったものである。しかしもう今ではないだろうなあ。

それからお次は通販で買った展覧会図録。

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図録「帝国美術学校の誕生」(武蔵野美術大学美術館・図書館)2019年10月18日1800円

600ページを超える厚冊。分厚いがやわらかな造本で軽い。これは買っておくべきだろうと買ってみたが、送料と振込手数料で結局3000円弱になってしまった。

そして、これは今日行って来た五反田遊古会にて購入したもの。

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志賀直哉「蝕まれた友情」(全国書房)昭和22年7月20日初版カバ800円

堀太一「新聞の秘密」(光文社カッパブックス)昭和34年9月30日初カバ200円

福島鋳郎編「戦後雑誌発掘」(日本エディタースクール出版部)凾欠200円

目録注文品は無し。しかし黒っぽい棚もありじっくり見ればいろいろとあったかもしれない。「蝕まれた友情」はお馴染み全国書房のものだが、これが本文は耳付き和紙、カバーは草木染を渋刷毛で染めてある。資材のない時代にいちいち凝っている。

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■告知■

国際三島由紀夫シンポジウム50 ans après, un autre Mishima ? 

というのに登壇します。来週の21〜23日です。会場はパリ第7大学(ディドロ大学)。もしちょうどその頃パリにいるという方がいましたらお運び下さい。

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