漁書日誌 3.0

はてなダイアリー廃止(201901)を受けてはてなブログに移設しました。

城北展は行けず

夕方神保町に赴く。すっかり城北展を忘れていた。目録切られたか(追記、城北展今回は目録発行していない由)。そういえば、新宿京王もまだ行ってないのである。しかし今日の神保町は右翼の街宣車がものすごい音量でラウドスピーカーを使っていた。すごい音量なのに早口の怒鳴り声でなにしゃべているか殆どわからない。そんな中、扶桑書房へ。



島崎藤村「春」(緑陰叢書)明治41年11月7日再版
橘弘一郎編「谷崎潤一郎先生著書総目録」(ギャラリー吾八)凾ビニル付たとう限定234部記番編者署名落款入4冊揃10000円
川島幸希「国語教科書の闇」(新潮新書)定価
前二冊は扶桑で、「国語教科書の闇」は新刊書店にて購入。いや、「谷崎潤一郎先生著書総目録」は今から15年以上前に中野中央図書館でコピーしたものを後生大事に使ってきて今ボロボロだが、ようやく本物を入手した。この本、むかしは普通に十万円以上していたのだけれど、まさか資料で万以上だすのはどうなのよと思っていたし、それでもまあこれは特別ではあるけれど、といってもこんな価格で入手出来るとは思っていなかった。だがまあこれも昨今のあれこれの凋落のせいというのもあるだろうが、しかもピンピンのコンディションで付録なども揃っていて完品であるのは扶桑ならではなのかもしれない。
「国語教科書の闇」は、何故教科書の定番小説が「羅生門」「こころ」「舞姫」なのかといった、ある種作品のカノン形成を扱った読み物としても興味深い本。この定番化って実は80年代からでけっこう最近なのかと知った次第。下に敷いてあるのは著者にいただいたその新刊チラシ。
で、神保町を後にして夜はシネマヴェーラ渋谷の特集「妄執、異形の人々」にて、「鬼火」(東宝1956吉屋信子原作)と「真夜中の招待状」(松竹1981遠藤周作原作)の二本を見る。