ちょっと昨日の会場で心残りのものがあった。まあ行ってみるかと再度神保町へ。しかし遅くに出たので間に合わず。それでまあ、はじまってすぐにも行ったのだが、明大での「城市郎文庫展 出版検閲と発禁本」をまたちらりと覗いた。
一堂にして発禁本がズラリと見られるのはそうそうないし面白いものであったが、混乱するのが、発禁の種類は明記してある(風俗とか安寧とか)のに、何年何月発禁になったのかが不明で、改訂◎版とかいう本が展示されていても、その改訂前の初版が発禁になったのかその改訂◎版のみが発禁になったのかよくわからない。なおかつ、谷崎潤一郎「恐怖時代」(金星堂)単行本が展示してあり発禁となっていたが、発売禁止になったのは「恐怖時代」初出の「中央公論」であって単行本は発禁になっていない……だのにあたかも単行本が発禁になったような表示で混乱。他にも芥川龍之介「侏儒の言葉」(文藝春秋社)もただ発売禁止とあると「えっ」と思ってしまう。別紙配布している展示リストには、「恐怖時代」は初出が発禁で単行本は発禁ではなく、「侏儒の言葉」は日中戦争に入って重版が禁止になった(つまり初版時は発禁ではない)とかいう但し書きが小さく明記してあるのだが、これは展示だけ見ていたら誤解する。まあ次回からは解消出来たらよいね、と思ったことであった。おそらく学内担当者の予算やら納期やら気遣いやらあれこれ…と勘ぐりしてしまった。
で、ちょいと古書店をまわって、田村外台やら悠久堂やらで古書を買い、扶桑に。扶桑では太宰を購入。
太宰治「皮膚と心」(竹村書房)昭和15年7月20日初版凾欠印1500円
長野まゆみ「少年アリス」(河出書房新社)初版カバ帯毛筆署名落款400円
山内久明他「ヨーロッパ・ロマン主義を読み直す」(岩波書店)カバ帯500円
ハッチオン「アダプテーションの理論」(晃洋書房)カバ帯1800円
「アダプテーションの理論」は先日出たものでずっと古書で探していた。すぐに定価で購入しようかとも思っていたが相変わらずのケチである。「少年アリス」は田村の外台で。落款といっても自刻?のスタンプ。小川国夫や井上光晴なんかの署名本も数百円でゴロゴロあった。
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