漁書日誌 3.0

はてなダイアリー廃止(201901)を受けてはてなブログに移設しました。

趣味展外出たら雨

昨夜は仕事をしていて、徹夜で、本当は朝のうちになんとかして久々に趣味展に朝一で出かけ扶桑の棚を漁ろうと思っていたのだが、結局仕事は終わらず、なんとか目途がついたのが昼過ぎ。ダラダラと仕度して、予報に反して曇り空でちょっとまだ寒いなかを神保町へ向かう。徹夜がつらい。
で、会場にはいつもよりずっと早く、15時過ぎには到着。ダラダラと寝不足頭で見て回る。会場で拾って購入したものは以下。

磯田光一「戦後史の空間」(新潮文庫)200円
文豪ミステリ傑作選「芥川龍之介集」(河出文庫)200円
浅野八郎「手相術」(カッパブックス)200円
森類「鴎外の子供たち」(カッパブックス)200円
里見とん「今年竹」(プラトン社)昭和2年10月25日25版凾欠署名800円
「週刊コウロン」昭和35年3月8日号200円
なんだか今日は文庫が安い店があった。200円の新書、文庫はそこの店からである。「戦後史の空間」って文庫化されていたのは知らなかった。新潮文庫の評論系って最近のものはすぐ絶版だしなあ。ベストセラーの「手相術」は、三島由紀夫の手相が掲載されているため。これ、昭和38年の初版には掲載されていない。三島没後の重版にのみ掲載なのである。だからどうした、ということもないが三島の手相はこれでしか公開されてないのでは。コウロンは、谷崎の「鍵」に対する獅子文六の「べつの鍵」記事のため。初期のコウロンではなくロゴが週刊公論と漢字に変わったものでなら探している号があるんだけれど。「今年竹」は、山六郎装幀のプラトン社本だが、これは署名希望で注文すれば当時入れてくれたらしい。ふた付きの凾は欠だが状態はよいので、まあ千円以下だしね。というかさ、初版の五日後に25版ってホントかねえ、嘘っぽい。ほかにも里見とんは、大正期のマーブル装の戯曲集とか、凾付初版本が千円前後でゴロゴロしていたが、ああいうの買っても読まないし。もうちょっと初期のだったら買うのだが。それと、扶桑には、背及び平題簽と前見返し及び扉欠の芥川「羅生門」(阿蘭陀書房)再版凾欠1500円というのがあり、逡巡したが結局棚に戻してしまった。丘浅次郎「進化論講話」凾付美本千円も迷ったが、ドデカイし重いし大正に入ってからの改訂版だったしで、これも結局やめた。お次は注文品。

三島由紀夫「純白の夜」(中央公論社)昭和25年12月20日初版帯6000円
長春園主人「心理応用 魔術と催眠術」(小川尚栄堂)明治36年4月28日9版表紙裏表紙破損2000円
三島のは、数年前ならこれの三倍くらいしていたのだが。再版の帯違いは所持しているし、おそらく三版はないだろうからこれで完了か。それとお次のあやしい本。「霊術家の饗宴」だったか何かで知った本だが、思っていた表紙と違っていた。重版だからか。丸髷の女を怪しい基督のような西洋人が催眠術かけている表紙絵だったと思ったのだが。初版は明治25年9月。でも表紙破損って、三分の一欠じゃないのよ。これどうやって補修するのよ、土器みたいに欠落部分を付け足すのか。まあ綺麗だともっと高い本だし、まあ仕方ないか。
といっても、今日だけで一万円いってしまった。この浪費、もう駄目、明日からまた長い金欠統制令施行である。でまあ、古書会館の外に出てみると、雨。けっこう強い小雨といった状態。寒い。傘持参せず。濡れ鼠で走っていく。
そういえば三省堂裏の喫煙所、工事していたが、まさかなくなるのではあるまいな。

〈翌日追記〉
都内に出る用事があったので、ほんの15分ほどだが古書展会場に立ち寄る。扶桑の棚は、昨日の「進化論講話」は売れてしまっていたが、永田耕衣「一休 存在のエロチシズム」(コーベブックス)凾2500円は残っていた。それで一点購入。

徳富蘆花「寄生木」(警醒社書店)大正元年10月1日33版カバー800円
本当は「不如帰」が欲しいのだが、カバーも付いている元版だしと買ってしまう。しかし質素というかシンプルな装幀である。カバーは薄い紙なのだが、カバーにのみ背に文字。その後、今日は各古書店前に出ているワゴンを少しだけ見て回り、野村胡堂「胡堂百話」(中公文庫)200円を購入する。



以下は、東京堂で見かけた新刊本で気になったもの。

近代大阪の出版

近代大阪の出版

榛地和装本 終篇

榛地和装本 終篇

ユイスマンスとオカルティズム

ユイスマンスとオカルティズム