漁書日誌 3.0

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大雨のあとの紙魚

紙魚展初日である。空は少々雲はあるが青空、既に秋の空といった趣があるのは、昨日までの雨上がりだからかもしれない。親戚が水海道にあり、中継など長時間見ていたことでなんとなく気疲れしたということも心理的に影響したのかもしれない。
で、2点注文したものはことごとくハズレ。残念。16時半頃会場に着き、ザーッとまわって買ったもの。

三島由紀夫「幸福号出帆」(新潮社)昭和31年1月30日初版帯欠美500円
杉浦明平「細胞生活」(カッパブックス)昭和31年10月12日13版カバ100円
藤井貞和「物語の方法」(楓風社)カバ420円
三浦重周遺稿集「白骨を秋霜に曝すを恐れず」(k&kプレス)カバ500円
注文してハズレた本は、長田幹彦「自殺者の手記」再版凾付2000円と、村松駿吉「らく町お時」初版美本1200円である。前者はある種当時のベストセラーで、凾欠重版なら既に所持しているものの、凾付でこれは安いかなと。で後者だが、有楽町の街娼お時、通称・楽町お時は、本名・西田とき子。昭和22年7月には稼業から足を洗い、25年5月には長女出産。しかし子育てのため翌月には社交喫茶に勤めだしたという(「更正した西田とき子さん」/「サンデー毎日」昭和28年)。
で、まずは単行本で購入したもの。三島のはとうに所持しているがピンピンに状態がよいため。帯があると高いシリーズの一冊だが元々パラフィンがフランス装の折り込みの箇所に貼付されていてこれが痛んでいるものが多いのだ。初版といっても2版までしか出ていない(確認していない。逆に2版の方が部数が少ないためか見ない)。三浦重周氏は、〈憂国忌〉の「三島由紀夫研究会」事務局長をやっていた方で、自刃後に発刊された遺稿集。「細胞生活」はもちろん共産党の細胞のことだが、これがカッパブックスで出ているというのが面白いと思ったことである。

大衆文芸愛好誌「麒麟」4号、5号、揃1000円
塚原晃「ケ・セラセラ愚連隊痛快!戦後裏街道史」(河出文庫)100円
林健太郎「昭和史と私」(文春文庫)100円
浅利慶太「時の光の中で」(文春文庫)150円
荻原遼「朝鮮戦争」(中公文庫)200円
縄田一男「捕物帳の系譜」(中公文庫)300円
大橋良介「時はいつ美となるか」(中公新書)200円
古書マニアの同人誌「麒麟」はネットオークションにて。第5号が最終号か(1〜5号+別冊1=全6冊でコンプ)。5号には、海野十三の書誌が掲載されている。その下の文庫3冊は会場で、下から4冊は古書展のあとにまわった古書モールにて購入。浅利と林は三島関連資料として。