国会図書館前の桜。そしてここでダラダラとやっていたおかげで、神保町に出るのが遅れてしまう。神保町駅に到着し、地上に出たのが17時52分頃。ホームを駆け回ったので体力も切れ、ほうほうのていで古書会館に到着したのは57分頃か。一人で汗だく、疲労困憊でほぼ棚などみている余裕もなく閉場しますの声。ほとんど不審者のようなものであったが、それでもまあ、ということで一冊だけ購入する。
「20世紀の戯曲 日本近代戯曲の世界」(社会評論社)カバ1000円
ま、論文集である。これの二巻目が戦後戯曲の巻で三島やら安部公房やらの論が入っていて本当はそちらが欲しかったのだけれども。でまあ、ほとんど3分くらいしかいられなかったというわけである。今回注文品はないが、目録で「千代田週報」なんかを出している店があり、千代田週報というのは大正活映の封切館でもあった千代田館という映画館が出していたプログラムというか通信紙というか、そういうものだが、大正10年のがあったので、もしやトーマス栗原らのものなんかあるまいな、あるいはそれ関係のものが場に出ているのかもという淡い期待があった。が、そういう期待は往々にして外れるものだ。店の方に聞いてみたが数少ない目録掲載のそれ関係はほぼ売れてしまって、他にそれ関係はまったくないとのこと。
それでまあその後、東京堂だのなんだの見て回った。写真で下敷きになっているのは「車谷長吉全集」の内容見本。いまどき貼凾で天金というのが珍しい。で、東京堂の店内にいると、なんだかおもてが喧しい。ブラスバンドが聞こえる。なに、桜まつりは終わったでしょ、と、見ると、皆制服制帽姿。自衛隊か消防団の楽隊かと思いきや、救世軍の行進であった。山室軍平は中将までいったのだっけか。実はこういう行進を見るのは初めてである。映画の中では見たことがあるのだが(日活の「少女地獄」だったか「屋根裏の散歩者」だったか)、歌っている歌詞も音楽も違っていた。そういえば映画「地下鉄のザジ」にも出てきたな。当然というか逆なのだけれど、へえ日本と同じ軍服だ、などと、思ったものだ。
救世軍はいまでもあるけれど、さすがにオイチニの薬売りとかはいないだろうなあ。あれも軍服みたいな、巡査みたいな恰好だったように思うけれど。
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