漁書日誌 3.0

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処暑過ぎの窓

相変わらず暑い今日はまど展初日。しかも10時の会場に列ぶ。注文品は無い。

武田仰天子「楽屋銀杏」(青木嵩山堂)明治36年9月17日口絵欠背痛900円
江見水蔭「花」(青木嵩山堂)明治36年7月3日口絵欠印少痛600円
まずは青木嵩山堂刊行の小説二冊。「楽屋銀杏」は、現代物の〈女俳優(ぢよはいいう)の物語〉(「自序」)。まあ既に貞奴が活躍している時代だろうけど、女座長の作中に出てくるような劇団なんてのが当時あったのかしらん。その楽屋裏を描いて、架空なら架空で益々興味が募る。仰天子だから初出は東京朝日の連載か。しかし仰天子なんか今誰からも読まれないだろうと思われる、無論ワタクシも読んだことないけど。それから「花」は家庭小説みたいなもんだろうか、「はしがき」に理学博士の艶福が云々と書いてあった。まあ口絵欠だがこのくらいなら買える値段である。

第一次「新思潮」2号明治40年11月口絵写真一葉欠記名汚900円
第一次「新思潮」4号明治41年1月汚落丁あり700円
「新小説」明治35年4月汚れ口絵絵葉書欠400円
「新小説」明治35年12月表紙破れ汚れ絵葉書欠400円
「代表的五大名家戯曲傑作集」(「苦楽」創刊号附録)大正13年1月300円
竹内良夫「華麗なる生涯 佐藤春夫とその周辺」(世界書院)カバ帯300円
お次は主に雑誌。「新小説」、表紙絵は和田外面。春葉やら風葉、鏡花、斜汀など掲載。12月号にはゾラ逝去の報。それはそうと「新思潮」、会場には第一次「新思潮」揃の合本もあって一時抱えていたのだがやっぱり戻してしまった。欲しい第二次のはそう出てこないよなあ。今回買ったものには、同人の他に風葉や八千代なども掲載。写真欠というのはオフィーリヤの女優写真。コピーで補ってあった。それから鴎外の「志からみ草紙」なんかも参考に買っとくかと思ったが戻した。数百円で普通に列んでいるのがよいなと思うけれど。このほかあれもこれもというのもあったのだけれども、資金を考えてきっぱり断念。

小野紀明「美と政治」(岩波書店)カバ3000円
長谷川弘「新しいヘーゲル」(講談社現代新書)カバ180円
村岡晋一「ドイツ観念論」(講談社選書メチエ)定価
古書展会場を後にしてから、ちょいと立ち寄った古書店にて「美と政治」を購入。今まで見た中で最安値か。お勉強用。新書はネット、「ドイツ観念論」はふいと覗いた東京堂にて新刊として平積みされていたのでこれもお勉強用に購入。他にも興味惹かれるものあったがもうさすがにからっ欠。

ドイツ観念論 カント・フィヒテ・シェリング・ヘーゲル (講談社選書メチエ)

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到来する共同体 (叢書・エクリチュールの冒険)

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