漁書日誌 3.0

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百年前の不言不語重版

突然のように来るのが扶桑書房目録。気が抜けない。ザッと見てザッと注文。あれこれと欲しいものもあったのだが、予算的なことを考えて二冊。そして今日届く。早い。

国木田独歩「涛声」(彩雲閣)明治40年5月15日初版カバ欠3500円
尾崎紅葉「不言不語」(春陽堂)明治45年2月1日16版袋欠印綴穴2500円
極めてオーソドックスな二冊。「涛声」も安く欲しかったのでよかった。口絵はコロタイプ?で、「未」のサインがあるようなので装幀ともに小杉未醒か。それから「不言不語」。多色木版口絵は鈴木華邨。初版は明治28年6月20日だが、16年以上経過してまだ重版が出ていたのかと。ちょうど百年前の重版である。まあ紅葉の中でも代表作のひとつだし人気もあったのだろう、巻末に「竹風吹面」として30頁にわたって批評集がついている。明治期のこういうベストセラー的小説にはよくこういうのがついているけれども、初版にはなく重版になってつくのがあるから重版も見ておかないと。最近は「不言不語」はバーサ・M・クレイの「Between Two Sins」を種本としているということについての研究も出版されている。

idea (アイデア) 2012年 09月号 [雑誌]

idea (アイデア) 2012年 09月号 [雑誌]