漁書日誌 3.0

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城南展の土曜

所用で神保町に赴く、16時頃。
注文品はないが、城南展の会場を50分ほどまわる。
で、そこで買ったのが、以下。

松永伍一「川上音二郎」(朝日選書)525円
石井良助「江戸の刑罰」(中公新書)210円
倉橋由美子「人間のない神」(角川書店昭和36年4月20日発行の初版、カバー付、800円

倉橋由美子は、特に初期作品は個人的に好きで、以前、というか学生の頃よく古書で漁って読んでいた。特にエッセイは尖っていて毒があって繰り返し読んだ。でもまあ、小説で一等、というのはやはり「聖少女」だろうけれど、サイン本も安く転がっていてウハウハして買い数冊持っている筈だ。まあ別に初版本集めようというようなことはなかったのだが、しかし、城市郎「初版本」(桃源社)なんてのを昔よく読んだのだが、そこの倉橋の項には、この「人間のない神」が一番レアで古書価も高いようなことが書いてあったのを記憶している。レアといえば確かに、発行部数が少ないのか、「暗い旅」とか「婚約」とか「蠍たち」とか古書展で数百円で転がっている単行本を買ってきては読んでいたのだが、さすがに倉橋の単行本に注目していたその時も「人間のない神」は新装版しか見たことがなかった。それが今日、ポツンといたって普通に棚にあり、ふと見ると800円、今はいつ読むかもわからないこんな小説にこの値段は些か高いかなあと思われたのだが、やっぱりねえ、これは……というのもあり購入した次第。
まー他は、白水社の「芸叢書」がズラリとあって、おおっと思ったのだが、一冊二千幾らとかだったので諦め。同じく講談社選書メチエもズラリと出ていたなあ、十数冊。モールに立ち寄れなかった。しかしまあ、何も変わっていないだろう。
帰りに渋谷に出て、金曜土曜は21時までやっている東急文化村のミレイ展に赴いた。実物はやはりよい。