漁書日誌 3.0

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文庫とか

今日仕事の帰りに、商店街の片隅ある古書店に立ち寄り買ってしまった文庫本。
酒井健「ゴシックとは何か」(ちくま学芸文庫)367円
小林多喜二蟹工船・党生活者」(新潮文庫)210円
江戸川乱歩全集1「屋根裏の散歩者」(光文社文庫)420円
ちくま学芸が安めだとつい手を出す。悪い癖である。確かに興味のあった本だが、それ以上に、安いというので手を出した。ちくま学芸は定価も高めの設定なので、500円以上が多い。また、この文庫に限ってはプレミアオブセッションもある。正にビョーキ。そして家に帰ったら、既に持っていた。阿呆である。
乱歩全集は集めているので、古書で安く入手出来よかったが、これは初版帯付き。文庫でそこまでこだわらなくてもよいのだが、この一巻目はけっこう版を重ねているようだ。蟹工船は、まあご愛敬。小汚い角川文庫版を持っていた筈だが、まあ最近話題だしキレイなので読み直してみるか、と。

で、お次がネット古書店へ注文してしまったやつ。
井上章一「戦時下日本の建築家」(朝日選書)カバ帯1000円
松浦寿輝「知の庭園」(筑摩書房)3000円
後者は探していたもので、どうもネットオークションなどでは定価の倍近い値段で見いだせるものの、それは何ともなので、ググってみたら出てきた、というわけ。定価4200円の本で、これくらいが妥当な価格でしょう。
それと井上章一のは、先日「アート・キッチュ・ジャパネスク」を購入したばかりだが、それの改題復刻本。何か違いがあるのか、もしや増補されているのでは、などと期待して。あとがき、というかむすびがあれこれとその後の経過を書いていてこれはこれで面白く、巻末に索引があった。まあこれくらいの違い。だが、マケプレを見ると、篦棒な、定価の十倍とか平気でつけているのがゾロゾロなので、そんなにも需要が多い人気の品切れ本なのか、と、思っていたのだが、日本の古本屋で検索するときれいな本が千円であった。そんなものだ。利鞘稼ぎもあそこまでいくとどうなのだ。マケプレなど、はなから利用する気すらないが(しかし中にはかなりの掘り出し物もないわけではないようだが、かなりのレアケース)、ここの一部の手合いの妙な価格設定が日本の古本屋の相場に影響を与えるのじゃないかなどといらぬ心配。そして、千円であっても重複する本を買ってしまう自分自身こそまあよい鴨なわけで、この重症具合には自分ながら暗澹とする。