漁書日誌 3.0

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愛書会ほか

愛書会古書展である。
夕方、閉場50分前くらいに開場に到着。注文品はない。ザーッと会場を見ていく。

で、拾ったのがこれ。

大江健三郎「孤独な青年の休暇」(新潮社)昭和47年9月5日18刷200円
界外五郎「恐喝[かつあげ]銀座男爵の告白」(季節風書店)昭和33年7月10日発行300円
橋川文三編「超国家主義現代日本思想体系31)」(筑摩書房)525円

まー大江は、あれこれ必要あって昭和三十年代の小説とエッセイをちょっと押さえておきたくって、安く探している。無論作家の小説本だし、どうせならば初版本でというのもあるが、1000円以上出したくない感じ。文庫だと、何だろう、初版とテクストが変わっているのがありそうな気がして元版で探しているのである。しかしどうなのだろう、まだ大江は全集はない(著作集とかのみ)と思うけれど、確か細かい校訂とかなかった気がする。初出、初刊、その後の普及版などの過程で手が入っているものがありそうな気がするんだよなあ。昭和三十年代の短篇で単行本に入ってないのとかあるようだし。例えば「夜よゆるやかに歩め」とか当時の単行本とロマンブックス版でしか読めないようだし、「偽大学生」は作者にDVD化拒否された、みたいなことをどこかのブログか何かで読んだことがある。ただの噂かもしれないが、しかしまあ、そうなるとテクスト改訂とかいかにもありそうで。こういうテクスト改訂とかの研究論文とかもないようだし。どうなんだろ。しかも今回のこの本、奥付表記の初版が〈一九七〇年〉とかってなっていて、おいおい誤植か〈一九六〇年〉だろ、と。まさか改訂初版とかそんなことないよねえ。
次のは、なにかの本で読んで記憶の隅にあったからだと思うけれど、まあ戦後銀座のチンピラ列伝みたいなもん。一応、丹羽文雄が序文を書いている。終戦後の銀座の裏の顔とか興味あるので、まあ安いしよいかと拾ったもの。
で、最後の「超国家主義」、これは安く探していたものでうれしい。やっぱりこういう値段じゃないと。これ、北一輝から橘孝三郎から大川周明とかの論文などが入っている。しかも橋川の解説文というのもけっこう興味深くて、ここらへんを簡便に・取り敢えず持っておくにはちょうどよいアレなので、以前から探していたもの。でも、このシリーズ自体はよく見かけるのに、何故かこの巻のみはあまり見かけず、ようよう見つけたと思ったら1500円くらいの値段が付いていたりして、1000円以下で探し始めてもう一年半も経過してしまった。

で、会場を出てからT書店やら覗き、東京堂に立ち寄り、それからモール。三省堂を覗いたら、古書の文庫やら新書やらを並べていたので見ていたら、買い逃していたウォーカー「ルネサンスの魔術思想」(ちくま学芸文庫)が1280円であったので、思わず購入してしまう。この辺、趣味でちょっと読みたいなあ、とか思っていると、たちまち品切れ、篦棒なプレミアがついてしまうので、定価よりも安いしキレイだったので購入に踏み切った。ちくま学芸文庫には、どうも品切れコンプレックスがあってねえ。イヤな感じである。


で、これらは、ここ数日にネット経由で購入したお勉強用の古書。
メディアアートの世界」(国書刊行会)1680円。
富山太佳夫シャーロック・ホームズの世紀末」(青土社)1500円
同    「ダーウィンの世紀末」(青土社)2000円
富山の本はBB氏に教えていただいた本。感謝です。いま後者を読んでいる途中ですが、これがなかなか興味深い。