漁書日誌 3.0

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池袋リブロ春の古本まつり

会場には16時頃に到着。今回は注文品もなく、17時半頃まであれこれ見て回る。昨夜雪が降ったのは幻かというくらい、まあ戸外も暖かだったが会場は熱気で暑くて、古書会館みたいに荷物なんかを預かってくれるところがあればよいのになあと思いつつ、暑くてフラフラしながら古書を見る。

福永武彦「草の花」(新潮社)昭和29年4月15日初版カバ帯1050円
島内景二「三島由紀夫 豊饒の海へ注ぐ」(ミネルヴァ書房)カバ帯1575円
[地下本?]「現代小説 鍵」(神田書房)奥付無カバ500円
野口冨士男「私のなかの東京」(中公文庫)300円
稲垣浩「日本映画の若き日々」(中公文庫)250円
川崎長太郎「鳳仙花」(講談社文芸文庫)1050円
三島のは評伝で出たばかりだが半額だったので。今度の新宿展でも2000円で出ているが申し込まずよかった。それと「草の花」は以前田村書店の外で帯欠を買ったのだが、初版帯付でキレイなのに千円というので思わず買ってしまった、まあビョーキである。別にこだわりがあるわけでもないのだが「草の花」の元版はなんとなしに持っておきたかった。「鳳仙花」は文芸文庫の川崎長太郎のうちでこれだけ品切れなので探していたもの、定価以上(定価は940円)だが新本買ったつもりで。それから地下本らしき「鍵」は、まあ中身は強姦殺人のストーリーを借りたスーハー本で、奥付もないし著者名もなく、少し画数の多い漢字はすべてひらがなという小学生の教科書みたいな文章。おそらく、谷崎の「鍵」がベストセラーとなった昭和32年前後の便乗タイトル本だろう。過日ここにも書いた獅子文六の「べつの鍵」といい、「鍵」とこういう出版界にもたらした影響を調べたら面白いと思う(といってもまあこういうの、漱石作品でゴマンとあるし筒井の「カラダ記念日」とか、別に今でもあるか)。