漁書日誌 3.0

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古書展のない週末

今週は古書展がない。しかし金曜日、所用で神保町に出てきてしまったので、古書を買い、その帰り際に鴎外記念館に立ち寄り「鴎外遺産」展に赴いた。

鴎外記念館に来たのは2度目だが前回は確か震災の前でもう10年以上ぶりである。今回は新たに発見された鴎外宛の大量の書簡から目ぼしいところがピックアップされ展示されている。図録を買おうと思ったが、展示そのままだしなあと躊躇していると過去の展覧会図録も並んでいたのでそこから興味のあったものを購入。2014年にやった「流行をつくるー三越と鴎外」展図録である。表紙色に赤と青とあるがどちらが良いか聞かれ青にした。前にオークションなんかに出ていてそこそこの値段になっていたので記憶していたのだが、普通に定価で買える。それから、今から60年前に制作された鴎外記念メダル1500円というのがあったが買わず(元々は化粧箱入りでもっと高かったそうだが化粧箱のない状態の在庫を並べておりこれが結構売れているとの由)。永井荷風による鴎外の「沙羅の木」揮毫複製というのが200円というのでついでに買ってきた。

佐藤春夫訳「毛皮を著たヴィーナス」(講談社昭和32年12月1日初函100円

鈴木健一編「明治の教養」(勉誠出版)1200円

これは鴎外記念館に行く前に買った古本。

帰宅してみると、ネットで購入したものと先日届いた扶桑書房目録で注文した本が届いていた。

OSミュージック「三島由紀夫の不道徳教育」パンフ2500円

東宝潮騒」パンフ550円

日劇ミュージックの大阪版OSミュージックで上演された「不道徳教育講座」のパンフである。といってもあのエッセイをそのままというのではなくってある程度のお話にして、例えば当時三島が見聞してきたヴードゥー教の儀式のシーンとかが挿入されている。脚本は三島ではないが原作者として色々と意見したようである。それから東宝映画「潮騒」は1971年のもので、これはいまだにソフト化されていない。いくつもある「潮騒」映画化の中では一番好みなのだがパンフはあまり見かけず、今ようやく。

小栗風葉「化粧競」(嵩山堂)明治44年6月25日3版6500円

深沢七郎「東京のプリンスたち」(中央公論社)昭和34年11月30日初版函帯2000円

こちら2点は扶桑目録での注文品。もう1点注文していたものは売切れ。風葉作品の中ではこの作品は駄作に数えられているそうだ。木版口絵は春汀。そして深沢七郎の本はとうに所持しているが、帯欠だったのでこれで完本。帯文は三島由紀夫。本体はドイツ装というのか角背の部分と表紙部分が接着されているような造本。

古書展もないのにかなり散財してしまった。また古書を売らないとならない。それというのも、ここのところ三島演劇の上演が連続してあって、貧乏書生にはチケット代だけでもなかなか馬鹿にならないからだ。

遊戯空間公演妖話会「サーカス「班女」@プロトシアター

で、土曜日は上記の上演に行ってきた。生演奏付きの朗読劇。プロトシアターという小屋は初めて行くところで高田馬場から徒歩10分くらい。ごく小さな町工場を改造したような感じ。11月19日夜。