漁書日誌 3.0

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千里眼で熱帯樹

3月1日、西部古書展へ赴く。予定であった。が、バタバタしているうちにギリギリになり、会場へ電話。閉場の18時に5分くらい遅れるが、注文品が当たっているのを確実に取りに行いたいのだが…と問い合わせると、18時10分には誰もいなくなりますから、ということでOK。10分で誰もいなくなるってのはまあないだろうけれども、それでも駅からダッシュして18時3分頃に到着。ちょうどの金額を払い、注文品を無事受け取る。

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高橋宮二「千里眼問題の真相」(人文書院昭和8年5月5日初版凾2500円

一緒に注文した福来友吉の「増補心霊の現象」(弘学館)凾欠2000円はハズレ。まあノリで注文したようなものだが、この辺は取り敢えず当時のものを少しは持っておきたかった。明治末の千里眼事件を肯定的にまとめてある本、とでもいおうか。口絵には著者への福来友吉書簡の一部が掲載。

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なぜか、昭和30年代?の福来友吉記念館の案内リーフレットが挟まっていた。

そして翌日。

世田谷パブリックシアターのシアタートラムへ、三島由紀夫の「熱帯樹」を見に行く。出演俳優が大人気でチケットがなかなか取れない由。パンフレットに執筆した特権で招待。よい席でじっくり見ることができた。「熱帯樹」自体は、最初に見たのは和敬塾でのク・ナウカの再演、その後、最近ではスズナリでの三条会のものか。久々である。装置は一寸抽象的で、むしろ初演を思わせる。黒い壁に汚れがと思ったのは、海面が月に照らされているところか。見て直ぐメモを取れば良かったのだが、覚書として。若い二人は熱演、脇はベテランが押さえるという感じ。基本的には戯曲そのままだが、ラスト、小鳥が生き返り庭に逃がしてやってから、郁子らの道行となる。地の根を張る熱帯樹の二人と月光に導かれ昇天する二人と、これも対になっているのだろうなあ。マチネであったが、終演後外に出ると既にソワレ当日券の長い列、それもすべて女性であった。そういえば客席も8割は女性だったと思う。3月2日マチネ。

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三島由紀夫作「熱帯樹」小川絵梨子演出@シアタートラム

で、その後は原稿の直しだったりなんだりであっと言う間。古書展もまた行けず。地元の古本屋で何冊か。

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黒川正剛「魔女・怪物・天変地異」(筑摩叢書)カバ帯600円

柄谷行人「日本精神分析」(文藝春秋)カバ帯400円

保昌正夫「川端と横光」(こつう豆本)300円

黒川という人のは、先日似たようなメチエの本を買ったのだったが。日本精神分析はすでに文庫化していた。失敗。