漁書日誌 3.0

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紙魚展ほか

紙魚展初日。久々に目録注文したが未確認のまま会場に向かう。16時45分頃会場に着きザッとひとまわり。残念ながら一冊も買いたいものはなく。注文品を確認してみると、当たっていた。というか、他に注文者無しである。

川上陽子「三島由紀夫〈表面〉の思想」(水声社)カバ帯2500円
嘉村礒多「途上」(野田書房)昭和7年8月20日限定500部記番凾背欠1500円
三島のはお勉強用でケチって古書を探していたものだが、今回はなんといっても「途上」である。限定500部のうち100番までは著者の署名入り。これは200番台で署名入りではないけれども、凾の背欠というほかはこれという瑕瑾もなく、越前手漉き楮紙を使用した野田書房の限定本でこれは安いだろうと思うのだが、他に注文者がないとすると今時はこんなものなのだろうか。単にこの値段では相当酷い痛みがあるのだろうと敬遠されたのか。どちらにせよ、ワタクシには嬉しい収穫であった。しかしまあ今回の古書展、ワタクシは迂闊にも気がつかなかったのだが児童ものでかなりの出品があったらしく、例えば小山内薫「三つの願ひ」初版凾極美5000円など、終わってから知るのであった。
帰宅すると、マケプレとオークションでの古書が届いていた。

大倉桃郎「琵琶歌 後篇」(梁江堂)明治43年9月18日初版カバ欠印500円
小田部胤久他編「スタイルの詩学」(ナカニシヤ出版)カバ帯520円
後者はお勉強用でどうでもいいとしても、「琵琶歌後編」は、これで前後編揃うこととなる。前に「琵琶歌」を買って持っているのだが、あとから後編があることを知って安く探していた。後篇といっても、まあ、人気が出たので続編を書いてみましたというところで、前篇刊行後5年後に出版されている。新聞での連載は調べてないけれども、やっぱり時間が空いているであろうし、はじめから予定されていたわけではないようである。冒頭には長々と前篇の梗概も付いている。口絵は清方。