漁書日誌 3.0

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城南展など

バタバタとしているうちに、映画も舞台も見過ごしてしまいつつ、ここもまたしばらく間があいてしまった。昼間は夏日のような陽気。もう6月である。
城南展古書展。特に注文品もなく、じっくり会場を回った結果、以下。

鹿火屋一彦「エロスの祭典」(コギト社)昭和22年11月20日初版300円
國學院大學日本文化研究所編「近代化と日本人の生活」(同朋社出版)カバ515円
加藤秀俊「メディアの展開」(中央公論新社)カバ帯515円
「映画評論」1973年2月号5月号各200円
鹿火屋の小説は持っていたような気もするが、持っていなかったらアレだというので一応購入。鹿火屋という人自体をちょいと追いかけている。それからあとはお勉強用。「メディアの展開」は数ページ人名などに赤鉛筆が薄く引かれていてそれで安いのだが、この程度ならば消せる。「映画評論」は未所持分の穴埋め。1973年は表紙画片山健
それらとは別に、翌日の土曜日に扶桑事務所に立ち寄って買ったものと、帰宅したら届いていたオク落札本。

沼田笠峰「少女スケッチ」(博文館)明治43年4月28日1500円
藪野椋十「東京見物」(梁江堂)明治43年8月25日再版少痛1000円
前者が扶桑書房、後者がオク。前者は博文館の「少女世界」で連載していたものをまとめたものか。著者が編集部の人?で、少女のあれこれを花にたとえながら小説仕立てで描くというもの。吉屋信子が女学生の頃にこういうのを読んだのだろうなあ。「花物語」着想の影響といった観点からも見ることができるかもしれない。かなりの美本なのだが、小口に1箇所虫穴があってこの値段。「東京見物」は漱石の序文があるから有名であろう。これもまあ安く入手できてよかった。
ところで、書くのを忘れていたが、先日オクで十年以上の探求書をようよう落手した。それが福島次郎の小説本である。

福島次郎「現車」(日本談義社)昭和36年11月3日3655円
国会図書館で見たことがあるのだが、この本はなかなか出ず、前にかなり痛んだ本が5千円だかで出て諦めたことがあり、このたびようやくという感じ。本当はこれに帯があるらしい。いまは完全版が上下巻で刊行されているけれども、現物を手にすると、これが当時三島にも献本された本なのだなあという感慨がある。
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三島由紀夫研究」18号・特集「三島由紀夫澁澤龍彦」出来!
拙稿ほか、三島未発表書簡全部など盛りだくさんです。