漁書日誌 3.0

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ぺんぺん草

ぺんぺん草も生えない、という言い方をするが、今日の趣味展はぺんぺん草くらいはあったかなという感じ。
いつもは欠かさずに朝イチに向かう趣味展だが、ここ数日の寝不足やら疲労やら?でくったくた、寝坊してしまい、朝イチに行けないならば意味ないやと起きだしてからゆっくりとして神保町に向かう。古書会館に到着したのは17時過ぎ。
まずは扶桑書房の棚をじっくり見て行く。既に棚の下の平置きスペースは無い。棚もスカスカが目立ってかなり売れたのだろうなあと思われた。それでも細かく見て行くと、ちょっとこれは欲しいかなというのと、もう3回くらい前から見かけているが、値下げしたようなのがあったりして、数冊抱える。それから会場全体を見て回って閉場時間。買ったのは以下。

福地桜痴「浮世見物」明治27年2月24日初版口絵欠300円
田山花袋「草みち」(宝文館)大正15年5月10日初版凾欠400円
佐久間政一「表現派の芸術」(日本美術学院)大正11年9月20日再版裸500円
「浮世見物」はストーリーに載せながら、当時の金持ちやらあれこれの業界やらをめぐりつつ皮肉に批評するていのもので、興味深い。本来は水野年方の木版口絵が入っている。「草みち」は宝文館から出た短篇集だが、少女小説っぽい感じ。夢二装幀だと思う。

徳田秋声講述「日本文章史」(松陽堂)大正14年11月20日3版裸300円
「新潮社創立四十周年鏡像除幕式並に記念祝賀会の記」冊子(新潮社出版部)昭和11年12月15日400円
遠藤周作「フランスの大学生」(早川書房)昭和28年7月15日初版カバ帯500円
円地文子女形一代」(中央公論社)初版凾帯200円
「フランスの大学生」が安いのは帯が背と裏表紙面が欠のため。新潮社の社長銅像除幕式の冊子はちょっと面白かった。社長の佐藤義亮の銅像って、今でも本館のロビーにあるアレであろうか。作家代表が徳田秋声で、中には徳田秋声の他に菊池寛やら当日のパーティーでのスピーチが活字化されて掲載されている。