漁書日誌 3.0

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らぼくつや

先日来た扶桑目録速報の注文品が届いた。

川崎長太郎「裸木」(砂子屋書房昭和14年8月10日凾5000円

泉鏡花「通夜物語」(春陽堂明治34年4月19日初版袋欠口絵欠少痛印3500円
川崎長太郎は、嘉村礒多とかあの辺のもっと先に行き着いた感じという印象を持っていて、いままで講談社文芸文庫を揃えて密かに愛読していたに過ぎないけれども、本を集める気まではなかった。といっても初期の本の裸本くらいは持っていたいなとは思っていたのでこれはドンピシャで、しかも凾欠の値段で凾付本が買えたのであるから嬉しいことであった。あとは文庫でいいかなという気もする。
それから「通夜物語」。無論、永洗による木版口絵欠だからこその価格ではあるが一応は初版。後の改版本(大正13年6月、参考に右においときました)と比べてみると、もちろん改装本は丸背上製貼凾入のうえにサイズも異なるし口絵も無いのだが、表紙はそのまま流用しているのがわかる。
しかし相場的にはけっこうなお買い得でよい買い物が出来たことは出来たが、こないだの渋谷東急での出費もあり、このクソ暑いのに懐事情はお寒いこと限りなし。誰か職を下さい。
そういえば、今回の扶桑書房目録速報24号、例の「千秋文庫」本がズラズラっと列んでいる。

千代田区九段で旧秋田藩主・佐竹家伝来の資料を収蔵展示する「千秋文庫」の旧蔵書が廃棄証明書付で古書市場にどどっと出たという情報は聞いていた。明治期の王道の文学書から雑本までいろいろあったという。鏡花なんかは既にヤフオクで何度か出ている。「千秋文庫」の大きな蔵書印が特徴だ。その一部がもう扶桑さんとこの目録にも出ているわけだ。これは今後の場やら目録にも期待出来そうではある。